5~6年前にテレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党」でこんなメールが紹介されました。
「私は『ふわふわトロトロオムライスのデミグラスソースがけ』に腹が立っています。普通のたまごでチキンライスを包みケチャップをかけたオムライスを食べたいのに」
するとマツコ・デラックスさんはこう答えました。
「素晴らしい!非の打ち所がないネールが来たわ!」「あれいつから?」「だからあたしオムライスを食べなくなったもん、ふわトロばっかりになっちゃったから」
発祥は映画
あのふわトロ系オムライスの発祥は伊丹十三監督の映画「タンポポ」ではないかと言われています。ケチャップライスの上にふわふわのオムレツが乗っており、それにナイフを入れるとオムレツが開いて半熟たまごがライスを覆いつくすというヤツです。これラーメンの映画なんですけどね。
その撮影地でもあった日本橋の老舗洋食店「たいめいけん」がそれを「タンポポオムライス」としてメニュー化しています。おいしさはもちろん、日サロに通いすぎの現シェフが黒光りしていることでも有名な人気店ですね。
オムレツにしない&ケチャップじゃない
たいめいけんのタンポポオムライスにかかっているのはケチャップですが、最近カフェや喫茶店でよく見かけるオムライスにはデミグラスソースがかかっていたりします。
しかもたまごはいったんオムレツ状に丸めることなく、片側はまだスクランブルエッグに近いような状態のままケチャップライスに覆いかぶさっている、そんなシャレオツなヤツです。
最近では「オムライスと言えばこっち」という感じで、わざわざ「ふわトロ」と謳わなくてもこっちのオムライスが出てくるカフェや喫茶店が増えています。それをマツコさんは憂えているのでしょう。
これ以外いらない
筆者もこの「ふわトロ&デミグラ系」オムライスより、昔ながらの「ケチャップライスがたまご焼きに巻かれた」タイプが大好きです。
たんなる地元びいきかもしれませんが、個人的な好みでは沼津市にある「千楽 本店」のオムライスが「言うことなしの100点満点」です。
内側だけわずかにとろみの残ったたまごに包まれたチキンライス。洋食のイメージを体現したような「楽しい赤」のケチャップ。
ビジュアル、香り、味、常連さんの年齢層の高さ、とどめに昭和の佇まいが残る店内…すべて言うことなし。北口店も美味しいですが、筆者は本店派です。
たいめいけんにもたまごに巻かれたタイプのオムライスはありますし、たいめいけんを含めていくつか東京の老舗と言われる洋食店でオムライスを食べたことがあります。
でも筆者としては千楽 本店のオムライスこそ王道一直線。これ以下のオムライスもこれ以上のオムライスもいりません。
【恒例】Googleたべもの
食べ物の写真が出てきたら例によってGoogle画像検索をしないわけにはいきませんね。
有名店のラーメンでもなかなか学力向上を見せてくれないGoogle先生ですから、洋食店を特定せよなんてことは言いません。ただせめてメニュー名ぐらいは、ね…。
さあどうでしょうか。
洋食2大メジャーとも言うべきこの両メニューの、しかも「昔ながらの見た目」の写真でも正しく認識してもらえません。
うーん…。わたしたちだったらどこをヒントに「オムレツじゃない」「カレーじゃない」ってわかるでしょうか?「たまごのパンパンさ加減」「ハヤシの”てり”」とかでしょうか。
とにもかくにも、このぐらいの精度じゃ中途半端で真面目な検証もできないしボケにも使えません。Google先生にはまだまだ特訓を重ねてもらいましょう。
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