大船渡も大拍手! 羽生結弦の金、宇野昌磨の銀

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大船渡市盛町のショッピングセンターにイベント準備で行った。1時半からの予定だったが誰も作業を始めない。動こうとしない。

なぜなら、イベント会場となるエントランスホールに設置されたテレビに映っているのは、平昌五輪フィギュアスケート男子フリー。買い物に来た近所の人たちがモニターの前に集まってパブリックビューイング状態。

作業時間はショッピングセンターの担当者と入念な打ち合わせの上でかなりタイトに設定さられていたみたいだが(スーパーマーケットが込み合う時間を避けるためだろう)、イベントを主催するNPOの人たちもショッピングセンターの担当者もモニターに見入っている。

いよいよ羽生結弦の演技がはじまる。テレビの音量はほとんど聞こえないくらいに絞られていたが、ジャンプのたびに、そして見事なステップに拍手が沸く。「よしっ!」と小さくつぶやきながらガッツポーズする男性もいる。「ゆずくんがんばって」とささやく女子高校生や、かつて女子高校生だったお母さんたちの祈るような声が、あちこちで聞こえる。まるでリンクサイドで観戦しているようだ。空気がどんどん熱くなる。

演技が終わるや、会場は拍手に包まれた。みんなが拍手しているのに、それでも立ち上がって後ろを振り向いて、2人のお母さんがさらに拍手を要求する。ミスもあったけどがんばったゆずくんに、感動とか感謝とかを伝えたくてどうしようもなかったのだろう。この場に集まった観衆も、お母さんたちに応えて一層大きな拍手を送る。

羽生の次にリンクに上がったハビエル・フェルナンデスが滑り始めると、会場はしーんと静まり返った。スピンのキレが違う。「なんか、すごいんだけど…」ゆずくんの演技が無事に終わるように祈っていた高校生がつぶやく。誰もが彼の演技に見入っている。ミスが出ても「よしっ」なんて声は聞こえてこない。ミスを期待するような雰囲気すらなかった。

フェルナンデスの次に滑った宇野昌磨が最初のジャンプで転倒する。それでも会場には息を呑むような雰囲気がみなぎる。演技を完遂することをみんなが願っていた。

そして、 羽生結弦の金、宇野昌磨の銀が決まる。会場が拍手であふれたのは言うまでもない。たまたまボランティアに出かけたところでとてもいいものを見せてもらった。

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