奇跡の一本松の側で太平洋に注ぐ気仙川は、鮎やヤマメ、イワナの宝庫として全国的に有名だ。7月1日の鮎漁解禁以来、連日多くのアングラーが集まっている。
全長47kmの気仙川は、河口から数キロ遡るだけで荒瀬や大岩が点在する中流域の様相を呈す。陸前高田市横田の川の駅には鯉のぼりならぬ「鮎のぼり」がはためいている。この鮎のぼり、背鰭や脂鰭までリアルに拵えられたなかなかの一品だ。川の駅の他、流域の種あゆ屋数カ所の軒先でも鮎のぼりが空を泳いでいる。
道の駅の前のざら瀬にも鮎釣り師の姿が見られる。駐車場に近く人気のポイントとのこと。
気仙川をさらに遡ると、10メートルおきに釣り師が並ぶほどの人気スポットも。鮎より人の方が多いのではと思えるほどだが、もちろん実際は鮎の方が多い。右手の竿を立てている人はまさに鮎を掛けた瞬間。散歩がてら、冷やかしがてらに釣りの様子を見て歩く間、ここでもあそこでもアングラー達が鮎をゲットする瞬間に出会える。
さらに上流、住田町に入っても釣り師の姿はそこかしこに。遠景の橋は全国的にも珍しくなった一本橋の松日橋。
盛り土や切り土の赤茶けた土地が広がる陸前高田の被災地から、車でほんの10分も走れば震災前と変わらぬ自然ゆたかな光景が広がっている。川沿いに駐車された車には県外ナンバーも多い。もちろん地元のアングラーも少なくない。
「被災地=まだまだ復興に向けてたいへんな状況」と単純に見ることはできないのかもしれない。同時に、鮎釣りが大盛況という一事をもって、陸前高田の復興が進んでいると考えることができないことも言うまでもない。
鮎釣りを愛する全国のみなさん、ぜひ気仙川へ。
山と川と風と鮎を、そして人と町を感じに気仙川へ。
最終更新:
abepapa0317
気仙川の鮎釣り風景ですが、素敵なアングルの写真です。写真を市のPR動画に使用する事は可能でしょうか?