【伝える】石巻市復興まちづくり情報交流館「雄勝館」

iRyota25

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6月に雄勝に行った時にはあいにく休館日だった「石巻市復興まちづくり情報交流館 雄勝館」に行ってみた。場所は旧雄勝小学校から300mほど。5月末に移転した仮設商店街「おがつ店こ屋街」のすぐ近くだ。

情報交流館は管理棟、展示棟、交流棟、そして交流テラスの4つのパートから構成されている。「復興情報や雄勝の自然、生業、食、文化、取り組みを情報シートで紹介」する展示棟は海側の建物だ。

中に入ってまず目を引くのは、雄勝のそれぞれの地区の特徴を地図パネルとタブレットで表示するディスプレイ。

雄勝には15の浜(村)があり、町村制が敷かれた当初には十五浜村と呼ばれていたほど、浜ごとのつながりが色濃い場所。それぞれの浜に伝えられてきた伝統と、浜と浜とのつながりが、地図にマグネットで付けられたブロックをタブレット上に置くことで表示される。

自分のように外から訪ねてきた者にとって、雄勝は雄勝でひとつの地域のように思い込みがちだが、この土地に生活してきた人には地区それぞれに特色があり、しかしバラバラということではなく、互いに緊密につながりあってきたということが伝わってくる。

雄勝は平安時代初期に編纂された国史にもその名が登場するほど、古くからの歴史と伝統を持っている。有名な「雄勝法印神楽」などの伝統文化やゆたかな自然を紹介する映像展示も見応えがある。

リアス式海岸の入り江ごとの集落で歴史を紡いできた雄勝は東日本大震災で大きな被害を受けた。震災後、雄勝の仮設商店街で町の将来を心配する話を幾度も聞いた。亡くなった人々、そして震災後に流出した人を合わせると7割の人がいなくなったという話は、雄勝の被害の大きさを象徴するものだった。人口が3割に減少——。それは町が町として成り立っていけなくなる危機を物語るものだった。

雄勝をよみがえらせたいと願う人たちがいる一方、状況はさらに悪化しているとも聞く。

3棟のトレーラーハウスで構成された情報交流館は木の香りがただようウッドデッキも備える素敵な空間だ。雄勝の人口減少は最近では「約4分の1」と言われる。震災から5年以上が経過して訪れる人も減少しつつある現在、この場所が雄勝への誘客の拠点となることを祈らずにはいられない。

復興まちづくり情報交流館 雄勝館

 復興まちづくり情報交流館 雄勝館 - 石巻市
www.city.ishinomaki.lg.jp  

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