長須賀「つながりビーチ 子ども海広場」夏へ!

iRyota25

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宮城県で一番美しいビーチと呼ばれた南三陸町の長須賀の浜辺。今年も海水浴シーズンが近づいてきた。大津波の後、地元の子どもたちと、全国から集まったボランティアの手で整備されて復活した長須賀のビーチが、夏の海開きに向けて動き始めている。

あいにくの小雨まじりの曇り空の下でも、長須賀の海は美しい。しかし、浜辺には大量のゴミが流れ着いている。

大津波の後、長須賀ビーチ復活のため多くの人が心を寄せ、汗を流し、2013年、長須賀ビーチの東のエリアに「つながりビーチ 子ども海広場」がオープンした。ビーチには子どもたちはもちろん、ビーチ復活に力を尽くした若者たちの歓声もこだましていた。

しかし、いちど津波によって荒らされてしまった海の再生は厳しかった。冬の荒天を経た翌年の浜辺には再びたくさんの被災物が漂着していたそうだ。長須賀ビーチの復活に力を尽くした人々は、再びビーチクリーン活動に汗を流す。そして2年目の夏にも、3年目にも「つながりビーチ 子ども海広場」をオープンした。

負けない気持ちの象徴。そうだ、震災からの年月は、地元の海を復活させたいという、津波に負けない気持ちそのものだ。

2013年の長須賀ガッツポーズ
 2013年の長須賀ガッツポーズ
potaru.com

ビーチ再生に取り組むことになったきっかけは、被災した浜辺の子どもたちの支援活動を行っていた勝又三成さん(TUNAGARI代表)たちが、南三陸の子どもたちを沖縄の海に招待した時、子どもたちが語った言葉だった。

「やっぱり地元の海で泳ぎたい」

津波のせいで夏になっても子どもたちは海で遊べなくなった。家族を津波に奪われて海を怖がるようになった子どももいた。世界で一番とも言われる沖縄に招待したのは、海辺で生まれ育った子どもたちに「海」を思い出してもらうためだ。しかし、沖縄の海を満喫した子どもたちにとって、それでも地元の海が一番だった。勝又さんは子どもたちに言ったそうだ。「じゃあ自分たちで何とかしようぜ」

長須賀の「つながりビーチ 子ども海広場」は、地元の子どもたちと、子どもたちをサポートしたいという全国の人たちの思いが詰まった場所。その場所で、震災後4回目となる海開きに向けての準備が始まっている。

「つながりビーチ 子ども海広場」は南三陸町歌津から泊崎半島への道の真ん中あたりにある。目印はこのコンテナ。

コンテナの壁には、小さな手の平もペイントされている。人魚もいる。

海水浴場の復活と整備を進めるボランティア活動は毎週土曜日を中心に行われている。詳しくは下記をぜひ!

 長須賀海水浴場復活大作戦『南三陸シーモンキー』
www.facebook.com  
 TSUNAGARI project
www.tsunagari-project.com  

本部のスタッフルームの脇に無造作にとめられているバイクには「TSUNAGARI」のマークとともに「全国災害救援連合会」と記されたステッカーも貼られていた。

そう、TSUNAGARIは長須賀ビーチの再生だけでなく、全国各地の災害被災地での支援活動を積極的に行っている。熊本地震の被災地には地震の2日後にはTSUNAGARIの人たちの姿があった。活動はもちろん現在も続けられている。ネパール地震の被災地での支援活動も継続中。広島や北関東の豪雨災害の時も駆けつけた。

長須賀ビーチは、そのようなTSUNAGARIの活動の原点といえる場所なのかもしれない。

「つながりビーチ 子ども海広場」には、ひとつ大きな懸案がある。それは長須賀海岸では災害復旧工事が進められていること。大きな防潮堤も建設中だ。

それでもきっと「つながりビーチ 子ども海広場」を実現した彼らなら、別の形の将来を探り出し、たぐり寄せてくれるのではないかと期待したくなる。そして応援したくなる。

震災6年目、4回目の海開きに向けて「つながりビーチ 子ども海広場」はもう動き始めている。海開きは7月30日(土曜日)。8月11日(木曜日・山の日)までオープンの予定だ。

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