南三陸・長須賀ビーチ「最高のガッツポーズ」

iRyota25

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午後の日差しが波に乱反射する長須賀ビーチに、こどもたちの歓声が上がる。

「気をつけろよ! こいつ、凶暴だぞ!」

こどもたちが大人を追いかけ回す。ビーチ狭しと走り回って逃げるのは勝又三成さん。頑張るこどもたちと一緒になって、南三陸・歌津の長須賀ビーチ再生に取り組んできた頼れるお兄ちゃんだ。

午後3時、海水浴場のフィナーレを飾る風船が飛ばされてからというもの、
「疲れた疲れた」と口先でフェイントを掛けては、
1人ひとり大人たちを捕まえては、抱え上げて海へ走り、
胴上げに見せかけて、海へザブン!

こどもたちから大人たちへ、感謝の儀式が続けられていた。

多分、その最後の餌食となった男が、

海から起き上がるなりガッツポーズした!全身で。

南三陸で被災したこどもたちを沖縄に連れて行った時、

「地元、歌津の海で泳ぎたい!」という声が上がった。

じゃあ、自分たちで何とかしなきゃな。

その答えが、海水浴場再オープンだった。

大人たちの絶大なる協力があった。でも、この間のこどもたちの成長は、

「ハンパじゃない!」

海水浴場再オープンの前々日、勝又さんは言った。

むっちゃ大変なこと、一杯あった。大人の理屈という壁が幾重にも立ちはだかった。

でも最終的には、こどもたちだけじゃなく、地元の大人たちも、地元じゃない人たちも賛同してくれた。

多分、完成なんてことではない。

でも、ここに未来が拓かれた。

勝又さんの顔を見れば、

分かるだろ?

これが東北のガッツ。被災地の力だ。

完成形じゃない。来年も、再来年も、その次も。

地元に海を取り戻すための仕事は続く。

この底抜けの笑顔とともに!

長須賀ビーチ

南三陸町歌津

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●TEXT+PHOTO:井上良太(ライター)

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