避難所のトイレをめぐっては考えなければならないことがたくさんある。ここではもっとも一般的な仮設トイレの中がどうなっているのかを、ちょっとだけ写真でご紹介。
[熊本大地震]仮設トイレのカギの締め忘れにご注意
益城町の総合運動公園体育館前にずらりと並ぶ仮設トイレ。それでもこの場所に1,000人を超える人々が避難していることを考えると、これで足りるの? と心細くなる。
このタイプの仮設トイレは建設現場などによくあるタイプで、総合運動公園のトイレのものにも建機レンタル会社のステッカーが貼られていた。
トイレの中は下の写真のようになっている。便器は和式のものが多い。屋根には乳白色の樹脂が嵌めこまれていて、日中なら明るい。このトイレには夜間照明用にランタンが置かれている。
用を足した後は右上のポッチを踏み込めば、消毒用の薬液入りの水が便器を流してくれる仕組み。仮設トイレの構造や仕組みは似たようなものが多いが、ドアの開け閉めとロック方法は機種による差異が大きい。
うっかり誰かに開けられてびっくりしたりびっくりさせたりしないためにも、トイレのロックは念入りに。また、夜間や人気の少ない時間帯は、女性や子供だけでの利用は安全のため控えたい。必ず数人で行くようにこころがけてほしい。
この貼り紙の意味は?
薬液で洗い流す水洗式の仮設トイレなのに、どうして紙類を流さず別にしてほしいのか。その理由はトイレの容量。外見の写真でトイレの下部のグレーの部分が、薬液タンクと汚物タンクだ。写真で見て分かるように容量はそれほど大きくない。
汚物が溜まればバキュームする必要があるのだが、処理車両の数や道路事情、処理施設への輸送など、被災地では汲み取りが滞るリスクもある。益城町のこの地域は断水が続いているので、汲み取りだけでなく洗浄用の水もわざわざタンク車で運ばなければならない。
少しでも多くの回数分の汚物を溜めるため紙類は別に、ということになるわけだ。
断水が続く益城町の別の地域では、洋式で溜め込み式の仮設トイレの掃除をさせてもらった。1日前に搬入されたばかりということで、キレイな新品のトイレだったが、すでに2日目にして汚物のカサは便器から見えるくらいまで増していた。
トイレ掃除もさることながら、トイレの運用も大変な仕事だ。
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