【熊本地震の風景】支援物資は足りているのか?

iRyota25

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 救援物資を送る時の「当たり前」
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物資は届いているのか?

消防団の人たちにお礼を言って挨拶して、その日の寝床に向かって走っていた夜、とあるコンビニのトイレの貼り紙が気になった。

場所は熊本市東区。益城町との境界から200メートルほどの場所。このあたりは水が出る。しかし益城町はずっと断水が続いている。つまり水洗トイレが使えない。だからこのコンビニにトイレを利用しにやってくる人がたくさんいる。

余震も続いている。大きな揺れもある。とても屋内で寝ることなどできない。だから益城町では避難所に入らずに駐車場に駐めたクルマの車中で避難している人がたくさんいる。田んぼや畑の脇にクルマを駐めている人もいる。そして、コンビニの駐車場で車中避難している人もいる。

このコンビニの店員さんと店長さんは言った。

「トイレが使えるって大きいでしょ。だから、そのためにお店を開けているんですよ。商品はほとんどありませんからね」

店内の商品棚にはほとんど何も残されていなかった。冷蔵庫に飲料水のペットボトルが20本ほど。あとはお酒と文房具と化粧品関連くらい。

商売のためではなく、トイレを使ってもらうために店を開ける。その気持がありがたくてならない。

しかし、トイレのために店を開け続けようにも、トイレットペーパーが足りなくなってしまう。

集積所に行けばあることは分かっている。でも、集積所に出向いて行ってもらってくるとなるとハードルは高い。支援物資として送られてきたものをもらいに行くには、商店だからこそという問題もある。たとえ売るものがなく、地元の人たちのために開けているのだとしても。

物資は足りているのか?

答えは「あるい程度は」と、限定的なものでしかない。

物資は届いているのか?

答えは「必要な人のところに必要なものが届いているとは言いがたい」となる。

物資受け入れのため、被災地の人たちは懸命に働いている。それでも追っつかないというのが現実だ。さらに、受け入れた後に需要地に運ぶという大きな課題もクリアされていない。

最初の大きな地震から10日あまり。熊本の被災地は混乱の最中にある。東日本大震災の教訓が生かされていないという声も上がっている。

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