14日の災害発生以降、15日午後には余震回数が減少しているとされた「平成28年熊本地震」だが、16日未明、状況が一転した。被害の拡大が懸念されている。
14日の地震は16日の地震の「前震」
14日の地震は16日未明の地震の「前震」だったと思われると気象庁が発表した。地震活動は熊本県から東の大分県にも広がっている。
多くの人が、「これまでとは違う」と感じているのではないか。16日午前現在の状況を、NHK「テレビニュース同時提供中」のキャプチャ画面とともにお伝えする。
南阿蘇村の土砂崩れと大学生が入居していた建物崩壊
16日午前1時過ぎに発生した地震によるものと考えられる大規模な土砂崩れが発生している。夜間の地震であったため、どの「余震」でこの土砂崩れが発生したかは不明。
人知が及ばないことがあるという認識こそが大切なのではないか。
土砂崩れはJR豊肥本線と国道57号を押し流した。JR線の線路は国道上に押し流され、国道の橋梁は破壊されている。
被災地で大量の出水が見られることから、16日夜以降考えれる豪雨により、さらなる被害の拡大が懸念される。この出水は大変な水量だ。
大規模な土砂災害が発生した地点から、国道や鉄道が崩壊した谷を越えた先には、多くの大学生が居住するアパート等があった。
建物は1階部分が潰される形で崩壊し、1階部分から心肺停止状態で救出された人たちが病院へ搬送された後、死亡が確認されている。
崩壊した建物の中には、友人や知人がいる。余震が続く中、映像では2階部分の割れた窓から建物の中に入って行く人の姿も映されていたが、見守る人たちの心中はいかばかりなものかのだろうか。
夜を徹して小学校のグラウンドに避難していた人たち。近くに防災ヘリやDr.ヘリが発着するたびに砂埃を含む激しい風に、ブルーシートなどが煽られている。
熊本市内でも被害広がる
昨日の地震では、震源地に比較的近い熊本市東側での被害が大きいと報告されていた。しかし、16日の地震では熊本市西部や南部でも被害が広がっている。病院内で死亡される人も増えている。
ピロティの1階部分が潰れる形の被害は、阪神淡路大震災で見られたのと同様だ。建物の鉄筋コンクリート柱が圧縮される形で破壊されている。
鉄筋コンクリートは、圧縮強度の強いコンクリートと、引っぱり強度が強い鉄筋を組み合わせたハイブリッド式の建築様式。この柱に見られるような縮滅する形での破壊は、上下方向に激しい力が掛かったことを意味している。14日の地震は横ずれ型とされていたが、16日未明の地震では縦方向の強い揺れが発生したものと考えられる。
豊肥線の試運転電車が脱線
最終更新: