神戸市役所で見つけた岩手日報の号外

iRyota25

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神戸市役所4号館1階にある防災展示室。大きなガラスには、KOBE防災ポータルサイト「SONAE to U」のロゴマーク。中には防災に関するさまざまな情報やグッズが展示されている、とても役立つスペースですが、入口に置かれたテーブルの上に岩手日報の号外を発見!

ご自由にお持ち帰り下さいコーナーで見つけた岩手日報号外。防災展示室の役立つ展示内容については後日まとめて紹介します
ご自由にお持ち帰り下さいコーナーで見つけた岩手日報号外。防災展示室の役立つ展示内容については後日まとめて紹介します

号外の日付は2016年3月11日。トップ記事は岩手県の任期付き職員として採用され、陸前高田市防災局防災課総括主査として活動する兵庫県芦屋市出身の中村吉雄さんを紹介するもの。

赴任後、津波で消えた街の姿にがくぜんとした。まず震災被害や教訓を伝える検証報告書の作成に取り組んだ。時には涙を流して話す遺族に耳を傾けた。「自分も被災経験があったので思いは分かる。でも、(報告書は)客観的な構成で伝えなければいけないと思った」

岩手日報「号外 東日本大震災5年」2016年3月11日

記事の冒頭にはこんな言葉も。

いまだ仮設住宅での暮らしを余儀なくされている人は2万人を超す。復興は道半ばだが、岩手県外から被災地を訪れ信念を胸に活動を続ける人たちがいる。被災者に寄り添うその姿は、再起を目指す岩手の力になっている。

岩手日報「号外 東日本大震災5年」2016年3月11日

青い文字で記された「未来へ 歩み共に」とのタイトルが目に染みる。距離的には遠く離れた関西で、東北の号外を目にしたのはある意味で感動だった。

号外は岩手日報が3月11日、東京都内、青森、秋田、名古屋、京都、神戸、愛媛、宮崎で配布したもの。1面などは配布地ごとの紙面を作成し、岩手県内の被災地で活動している人を紹介している。神戸で配布された号外の中面にはこんなページも。

「神戸の皆様」への「岩手県民」からの手紙。「こうべといわてのテとテ」のつながりへの感謝が紙面にあふれている。

つながりや感謝は一方方向ではない。神戸の街を歩くと、お店のレジの横に募金箱が置かれているのをよく目にする。募金箱に記されているのは「東日本大震災被災地への募金にご協力を」といった文字。商店街のお店にも、喫茶店にも、神戸牛のステーキハウスにも、驚くほど多くの店に募金箱が置かれている。それも目立つようにデカデカとではなく、あるいはレジ横に飾られた観葉植物の葉っぱに半分隠れるようにひっそりと、しかししっかりと。

フリーペーパーの記事にも東北への支援を呼びかけるものがあった。

ふるさと納税制度を紹介するページで、地元神戸市へのふるさと納税を紹介している隣には、「宮城県石巻市のさば缶」。

21年前に震災を経験した神戸では、東日本大震災の被災地への思いはいまもずっと続いている。場所は遠くはなれていても「風化」はないと感じた。

震災が奪ったもの
命 仕事 団欒 街並み 思い出

…たった一秒先が予知できない人間の限界…

震災が残してくれたもの
やさしさ 思いやり 絆 仲間

この灯りは
奪われた
すべてのいのちと
生き残った
わたしたちの思いを
むすびつなぐ

神戸市 東遊園地 「1・17 希望の灯り」

この町の人たちは「…たった一秒先が予知できない人間の限界…」を共に知っているのだから。

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