高校野球ファンだけでなく、日本中が注目した21世紀対決。
21日、釜石高校と小豆島高校が対戦しました。
両校の秋季大会の成績は以下のとおりです。

わたしは同じ21世紀枠でも、小豆島高校に分があると予想していました。

小豆島高校は香川県大会で高松商を破って優勝しています。香川大会1位の小豆島高校と2位の高松商が四国大会へ出場しました。四国大会は香川2位の高松商が制し、明治神宮大会に出場しました。明治神宮大会とは各地方大会で優勝した10チームが神宮球場で戦う全国大会です。この強豪ひしめく明治神宮大会で高松商は準決勝で大阪桐蔭、決勝で敦賀気比を破って優勝しました。全国優勝した高松商に唯一の土をつけたのが小豆島高校なんです。21世紀枠とはいえ、かなり高いレベルにあると読んでいました。

小豆島 000 000 001 | 1
釜石 001 000 01X | 2

注目の21世紀対決は2-1で釜石高校が勝ちました。
わたしの予想は外れました^^;
小豆島高校は毎回のようにランナーを出しましたが、得点に結びつけることができませんでした。9回ある攻撃の中で、先頭打者が出塁したのが5回。そのうち4回は犠打でランナーを進めて得点のチャンスを作りましたが、あと1本が出ませんでした。

秋季大会のチーム打率は.243。この数字は今大会参加チーム中、最下位です。小豆島高校は失点を最小限に抑えてロースコアで勝つのがチームスタイル。公式戦5勝のうち1点差試合が2試合、2点差試合が2試合、3点差試合が1試合と接戦を制してきました。
釜石高校に負けはしたもののチームの持ち味が存分に出た試合だったと思います。
両チームとも、いいチームだなというのが試合を見ていて伝わりました。

釜石高校のエース岩間くんは緊張からか立ち上がりは制球に苦しみましたが、打たせて取る丁寧なピッチングで2回以降はコントロールもよく安定していました。ストレートの急速は120キロ台と速くはありませんが、カーブやチェンジアップなど100キロにも満たない変化球を織りまぜ小豆島高校打線を見事に抑えました。

昨年秋、新チームになった釜石高校は決して順調なスタートではありませんでした。
初めての公式戦、岩手県の地区予選では、初戦高田高校に1-10のコールド負けを喫しました。敗者復活からの勝ち上がりで岩手県大会の決勝まで上り詰めました。決勝戦では盛岡大付に逆転負けしたものの、堂々岩手県2位で東北大会出場を決めました。東北大会では2回戦で甲子園常連校の東北高校と戦い、延長12回の末、惜しくも敗れましたが、県地区予選の初戦をコールドで負けてしまうチームがわずかな時間で東北大会出場、そして甲子園出場。誰がこのことを予想したでしょうか。

試合前、釜石の佐々木監督は『震災で家族を亡くした選手もいます。今も仮設住宅から通っている生徒もいます。選手たちもいろいろなものを背負っている。まだまだそういう段階になっていません。5年たってもまだ進んでいないものがたくさんあるんです』と言っていました。
そして、『わたしたちはここでやれるべきことをやる。野球を頑張るんです』とも言っていました。

メディアはこぞって震災と結びつけますが、わたしは無理やり震災と結びつけて出場している選手たちに重たいものを背負わせるのではなく、のびのび野球を楽しんでもらい、結果としてそれを見ている釜石や東北の方が元気になったり笑顔になったりしてくれたらいい。そんなふうに思います。

勝った釜石高校の次戦は25日、滋賀学園と対戦します。

小豆島 000 000 001 | 1
釜石 001 000 01X | 2

龍谷大平安 012 020 200 | 7
明徳義塾 010 000 000 | 1

開星 002 000 000 | 2
八戸学院光星 120 012 00X | 6

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