昨日29日、3月20日に開幕する第88回のセンバツ出場校が決定しました。
やはり注目は『21世紀枠』。最終候補に選ばれた9校から悲願のセンバツ出場切符を手にしたのは...

21世紀枠に選ばれたのは釜石（岩手）、小豆島（香川）、長田（兵庫）の3校です。

5年前の2011年3月11日に起きた東日本大震災。釜石高校がある岩手県釜石市は大きな被害を受けました。1,000人以上の犠牲者を出した釜石市の中で小中学生の生存率は99.8％。このことはのちに『釜石の奇跡』と呼ばれました。

ある中学生は小学生の手を引いて一緒に逃げたといいます。
『泣き叫ぶ小学生を見て私も泣きたくなったが、あの日私は大人になるしかなかった』と。

小学生の手を引いた中学生、そして中学生のお兄ちゃんに手を引いてもらった小学生。そう、釜石の球児たちはあのときの小中学生なんです。

釜石は秋の岩手大会で準優勝。東北大会は初戦東北の強豪校、東北高校と対戦し延長12回の末、惜敗。センバツ出場は20年ぶり。部員24人は甲子園で釜石旋風を巻き起こします。

私がもっとも注目していた高校、小豆島高校です。

小豆島は香川県の瀬戸内海、播磨灘にある島です。人口わずか3万人の島にある小豆島高校は全校生徒わずか283人。野球部員は2年生8人、1年生9人。マネージャー2人合わせても19人しかいません。

部員が少ないというのは高校野球において相当なハンディです。

かつて池田高校は部員わずか11人でセンバツに出場して準優勝という快挙を成し遂げました。その11人を率いた指揮官は蔦文也さん。かれこれ20年以上も前ですが蔦さんが静岡県の三島市に講演に来られました。その講演を聞いたとき当時のことをとても嬉しそうに話されていました。

11人の雄志は『さわやかイレブン』と呼ばれ徳島県民だけでなく全国の高校野球ファンを虜にしました。小豆島はその池田高校と同じ四国。離島から甲子園という話題性だけでなく、実力も相当なものです。昨年秋の香川大会決勝ではのちに四国大会、神宮大会を制した高松商業を2-1で破っています。

小豆島高校は2017年には土庄（とのしょう）と合併し小豆島中央に校名が変わることが決まっています。小豆島高校として出場できる最後のセンバツのチャンスを見事にものにしました。19人全員が小豆島出身。幼いころから一緒に野球に打ち込み、すべてを知り尽くしてる仲間で甲子園に挑みます！

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