【観戦記】加藤学園×日大三島 ~春季高校野球地区大会(静岡県東部大会決勝)

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春季高校野球東部大会の決勝戦は準決勝の翌日4/10に行われました。
決勝のカードは加藤学園と日大三島。昨年秋の東部大会決勝と同じカードになりました。

静岡県の東部地区は全体を見渡すと静高、常葉橘、東海大翔洋、静清、藤枝明誠など強豪ひしめく中部地区。常葉菊川、掛川西、磐田東、浜松商などの西部地区に比べるとやや劣っていると言われます。

それはシニアの有力選手の進学先からもわかるように東部の有力な選手が中部西部の強豪校に進学することがあっても中部西部の有力な選手が東部の学校に進学することは稀です。では本当に東部はレベルが低いのでしょうか。わたし個人的には東部地区が中部西部地区に比べてそれほど劣っているとは思っていません。昨年夏の大会、決勝まで進み絶対王者静高を苦しめたのは東部の飛龍高校。そして昨年の秋季県大会でも日大三島は決勝まで勝ち進んでいます。

もしかしたら中部西部が強いと言われているのは昔からの強豪校が持つ独特の「名前」がわたしたちをそうさせているのかもしれません。選手たちはどうなんでしょう。静高という名前、ユニフォーム、東海大翔洋の縦じまのユニフォーム、全国制覇したこともある常葉菊川の名前、そしてヤンキースみたいなユニフォーム。もしかしたら名前負けやユニフォーム負けがあるかもしれません。

リベンジなるか?

昨年秋の東部大会優勝校、日大三島が順当に勝ち上がってきました。この冬を越して春のこの大会日大三島の試合を数試合見ましたが、わたしが見る限り今年の日大三島はそれほど強いというイメージはありません。小澤拓馬(現・日大国際)投手がエースだった一昨年、中泉圭祐(現・日大国際)選手が4番を打っていた日大三島は圧倒的な「打」のチームで春季県大会を制しました。昨年のチームは打のイメージはありませんでしたが小澤怜史(現・ソフトバンク)投手という絶対的なピッチャーがチームを引っ張っていました。そのチームに比べるとそこまではという感じです。

今年は右の中川真杉くん、左の海野陽日くんという両ピッチャーがいます。共に140キロ近いボールを投げるピッチャーです。将来的にはすごいピッチャーになる可能性を感じますが、この時点ではあくまで可能性。日大三島は今大会の得点は4戦で2点、2点、5点、7点です。尻上がりに得点が上がっている点は評価できるとしてもやはり物足りなさは残ります。

一方の加藤学園は決勝までの4戦を16点、7点、9点、11点と打ちまくりました。エース井岡くんは初戦を参考記録ながらノーヒットノーラン。劇的な逆転勝ちもありました。わたしはこの決勝戦、もしかしたら加藤学園の圧勝もあるのではと予想していました。

スコアをみると...

加藤学園 000 100 022 0 | 5
日大三島 310 010 000 1X | 6
※延長10回

毎回しつこいくらいに言っている「立ち上がり」。今回も一瞬の隙を突かれ3点を奪われました。何とか1点ずつでも返したいところですが、2回に追加点を取られ4点を追う展開になりました。相手を楽にさせてしまいましたね。これは加藤学園がやりたかったことです。
エンジンがかかったのは終盤。8回9回、連打でなんとか同点に追いつきましたが、延長の末、またしたも日大三島に敗れました。

スコアボードだけ見ると「よく追いついた、粘り強い」。そんな風に見えますが、この試合に関してはお世辞にもよくやったとは言えません。ここまでの加藤学園の戦いをすべて観てきましたが、らしくない試合でしたね。つまらないミスも多く、相手に簡単に得点をあげてしまった印象です。
一言でいうなら『自滅』ですね。。

つまらないミスをしては野球は絶対に勝てない

準優勝という結果。たしかに立派な成績ですが、この試合だけは勝たなきゃいけない試合だった気がします。圧勝して欲しかった試合です。
今の加藤学園はそれほど騒がれていませんが、わたしが見る限り中部西部地区の強豪と比べても遜色ないチームだと思っています。
この試合、勝たなければいけなかったのは加藤学園だけです。圧勝してほしい理由はこれからもライバルになるであろう日大三島に「苦手意識」、そして相手チームに「お得意さん」のイメージがつけさせないためです。

こういうつまらないミスをしているうちは大きな舞台には立てないということを実感した試合でもありました。おそらく選手、スタッフも感じたのではないでしょうか。勝てる相手、勝てる試合になぜ負けたのかを考え、答えを出さないと次には進めません。

考え方によってはセンバツ上位校とも横一線。チャンスは十分ある!

最初に断っておきますが、考えようによってはです^^
本来は野球ではこういう比較はあまりしないのですが。。。

昨年の秋季東部大会は加藤学園と日大三島の試合は日大三島のサヨナラ勝ちという形で幕を閉じました。東部大会で優勝した日大三島は続く県大会でも決勝まで進出しました。決勝戦は惜しくも掛川西に敗れましたが、県大会準優勝校として日大三島は東海大会に出場しました。その東海大会では今春センバツにも出場した三重県のいなべ総合と大接戦を演じました。

東海大会
いなべ総合(三重3位) 810 100 021 | 13
日大三島 (静岡2位) 090 000 010 | 10

いなべ総合は東海大会で準優勝。優勝した東邦との決勝は延長戦になり10-9の激戦でした。プロ注目の藤嶋健人くんから9点を奪ったいなべ総合は力がありますね。

東海大会[決勝]
いなべ総合(三重3位) 620 000 300 0 | 9
東邦   (愛知1位) 204 003 000 1X | 10
※延長10回

そしていなべ総合は初出場となったセンバツでは神宮大会を制覇してセンバツでも決勝まで勝ち上がった高松商と初戦で対戦。高松商相手に終始有利な試合展開で横綱を倒す勢いでしたが、最後の最後、高松商の粘りに屈しました。

[センバツ]
いなべ総合 000 100 320 0 | 6
高松商   000 021 021 1X | 7
※延長10回

[センバツ決勝]
高松商  000 000 010 00 | 1
智弁学園 010 000 000 01X | 2
※延長11回

言いたいことはセンバツで優勝した智弁学園も惜しくも敗れた高松商も、初戦で高松商を苦しめたいなべ総合も...そしていなべ総合に東海大会で激戦の末敗れた日大三島、日大三島にサヨナラ負けした加藤学園もそれほど力の差はないんじゃないかなということです。まぁ、こういう接戦をこぼさず勝つ、そして勝ち抜く力こそが本当の強さと言ってしまえばそれまでなのですが、一発勝負の高校野球ですからね。わたしは今年の高校野球、今のところ団子状態とみています。団子ってことはどのチームにも甲子園出場のチャンスどころか、甲子園優勝のチャンスもあるってことです。

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