1月17日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
【重要】福島第一原発敷地南側のモニタリングポストでダスト放射能濃度上昇を示す高警報の続報。原因はやはりダンプと推定。敷地外道路の砂塵(土埃)の除去を検討とのこと
その後、当該モニタの「高警報」が発生した際に使用していたろ紙を回収して分析の結果、セシウム134およびセシウム137(天然核種以外の核種)が検出されたが、それ以外の核種は検出限界値未満を確認。
〈回収したろ紙の分析結果(速報値)〉
・セシウム134:2.0×10-6Bq/cm3
・セシウム137:8.9×10-6Bq/cm3
(既出)
当該ダストモニタ「高警報」が発生した時間帯に、ダストが上昇する作業の有無について追加調査を行ったが、発電所構内において該当する作業は確認されなかった。
また、当該ダストモニタ「高警報」が発生した時間帯に、モニタリングポストNo.7(以下、「MP7」という。)近傍を通過した車両(ダンプ3台)の汚染検査を行ったところ、スクリーニング基準値(13,000cpm)未満であることを確認した。
MP7近傍の道路等の砂塵(土埃)について分析したところ、セシウム134およびセシウム137が検出された(それ以外の核種は検出限界値未満)。
<分析結果>
(1)発電所構外MP7近傍道路路面砂塵(土埃)
・セシウム134:4.7×10^5Bq/kg
・セシウム137:2.1×10^6Bq/kg
(2)発電所構外MP7近傍道路法面土砂
・セシウム134:1.9×10^4Bq/kg
・セシウム137:8.9×10^4Bq/kg
上記の調査結果から、当該ダストモニタ「高警報」が発生した原因は、発電所構内の作業に伴うものではなく、発電所構外(南側)に位置する道路をダンプが通過した際に砂塵が舞い上がり、局所的に上昇したダストをMP7近傍のダストモニタが検知したものと推定。なお、当該道路の砂塵(土埃)の除去等について、今後検討していく。
モニタリングポスト近傍の土埃・土砂の分析結果を整数で表記すると、
(1)発電所構外MP7近傍道路路面砂塵(土埃)
・セシウム134:470,000Bq/kg
・セシウム137:2,100,000Bq/kg
(2)発電所構外MP7近傍道路法面土砂
・セシウム134:19,000Bq/kg
・セシウム137:89,000Bq/kg
かなりの高濃度であることが分かる。構内での作業であるかどうかには関わらず、原発敷地周辺からは同様の汚染物質が拡散する危険がまだ残されているということだ。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
3号機 使用済燃料プール循環冷却系「運転中」
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
その他の項目に新規事項の記載なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
4~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果[採取日2016年1月5日]については、運用目標値を満足していることを確認。2016年1月17日午前10時3分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時18分に漏えい等の異常がないことを確認。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果[採取日2016年1月7日]については、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(1月5日採取分)
地下水バイパス 揚水井の分析結果(1月15日サンプル採取)
◎日報に新規事項の記載なし
【注目点】昨年11月19日にトリチウム濃度が3,100ベクレル(1リットルあたり)の最高値を記録した地下水揚水井No.10は、12月14日の採取から「ポンプ点検により採取中止」の状態。採取が中止される直前の12月10日採取の分析結果は2,800ベクレルと高い状態が続いていた。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
1月16日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/8 1/9 1/10 1/11 1/12 1/13 1/14 1/15
E-1 8,600 9,100 9,100 9,300 9,900 9,000 9,600 9,500
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5
最終更新: