新幹線から乗り継いだ気仙沼行き最終列車のベンチシート。どう見ても2人しか座れないようなスペースに、会社員風の男性3人がぎゅうぎゅう詰めで仲良く座ったのを微笑ましく思っていたら、やおら「雪っこ」を取り出して乾杯して飲み始めた。「冬はやっぱりこれだよね」なんて話しながら、なんだかとってもいい感じ。仲間に入れてほしいな、なんて思ったくらい。
雪っこは大船渡(被災前は陸前高田)の酒蔵、酔仙酒造の活性原酒。毎年10月から4月頃までの冬季限定のお酒です。活性原酒とは酵母や酵素が生きたままの原酒。濃厚な味わいなのに、ほのかにスパークリングな感じのするとても美味しいお酒なのです。
もともと岩手県南部の人たちに愛されてきた地元のお酒ですが、最近では宮城県辺りでも知名度が高まってきたみたい。そういえば復興バー銀座など、東京で扱っているお店もちらほら出てきています。(復興バーでは売り切れになるほどの人気でした)
地元民ではないワタクシがおススメするのは変かもしれませんが、大好きな雪っこをたくさんの人たちに愛してもらえるのはやはりうれしいもの。
ワイン好きな方がボジョレーヌーヴォー解禁を心待ちにするように、東北の人たちがその発売を待ち望んできた雪っこ。冬の訪れは雪っこの美味しい季節の訪れをも意味しているのです。
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