東北復興祭 in 宮古の日、あいた時間にぶらっと立ち寄った三陸鉄道宮古駅で「かいけつゾロリのタルトケーキ」をゲット! なんで三鉄でゾロリなの? なぁんて話は後で後で。このパン、ゾロリの発行元のポプラ社はもちろん、岩手の地元の製パンメーカー白石食品工業、そして三鉄のコラボ商品なのです。
よくある企画物、なんてあなどってはなりませぬ(自分もちょっとそう思っていましたゴメンなさい)。このパン、むっちゃ美味いんです。ホンジャマカ石塚さんも、彦摩呂さん、マツコ・デラックスさんも、宮川大輔さんも絶対大絶賛するはず。だって、一口食べた瞬間、「まいう~」「タルトケーキの羽毛布団や~ 」「ヤバイ、これ。うまい!」「うわ、うま~っ!」の大合唱が聞こえてきたんですから♪
製造元の白石食品工業さんは、いわば東北の敷島製パンのような存在の会社。シライシパンのロゴマークは東北地方では誰でも知ってる超メジャー。毎月、地元の食材にこわだった新商品や限定発売商品を打ち出し続けるスタンスもすごいです。
で、このタルトケーキには、地元・岩手の食材として三鉄沿線の田野畑牛乳が使われています。食べた感じ、そうとうたんまりと使われています。しっとりしてるのに、ほわ~っとしていて、濃厚なミルクの風味と甘さが絶品です。
しかも、そのお値段たるや、なんと100円!
隠し味は、三鉄の知恵とアイデアと負けん気なのか?
コラボで新商品でしかもキャラクターを使っていて100円。三鉄での限定発売だからそんな値段ではとても採算などとれるはずがない。商品開発の打ち合わせの人件費だってきっと出ないと思う。それでも、ほっぺが溶け落ちてしまうくらい美味しい「かいけつゾロリのタルトケーキ」は現にある。なぜこんなものが実在するのか。
それは三鉄のイベント列車「かいけつゾロリ さんてつとなぞのネコ」の関連商品だったから、なんだと思う。今年はもう終了してしまったが、夏休み期間から9月下旬までの土・日・祝日に催行されたこのイベント列車は、宮古駅から島越駅まで三鉄北リアス線で行き、三陸海岸の名勝・北山崎を観光クルーズ。そして三鉄で宮古駅に戻るというツアー。島越駅あたりには、なにやら「ひみつ」が隠されていたらしい。
このイベント列車には乗車券、クルーズ船料金、お昼ごはんのゾロリ弁当、そしてシライシパンやアイスなどがついてくる。なんと料金は2,800円。しかも未就学児は500円だというからこれまた驚かされる。
イベント列車「かいけつゾロリ さんてつとなぞのネコ」については三鉄の【鉄ログ】をどうぞ。なんと出発式にはかいけつゾロリはもちろん、作者の原ゆたか先生も駆けつけたみたいですよ。
田野畑牛乳入りタルトケーキがどうしてこんなに美味いのか。どうして超良心的な価格設定なのかというなぞを解こうと立てた仮説は「イベント列車の関連商品だから」。でもその仮説も、イベント参加料金のあまりに低価格な設定によって崩れ落ちてしまったのです。ガーン~
それじゃどうして?
のこる答えはひとつだけ。それは、三鉄の人たちの知恵とアイデアと負けん気です。震災で大きな被害を受けた三鉄。それでも昨年4月には全線で運行再開を果たしました。たくさんの人達の応援や支援もきっと力になったはずです。でも、わずか3年で再開したのは、三鉄の人たちの熱意が大きいと思うのです。しかし運行を再開しても、地域は津波の被害からまだ復活してはいません。かさ上げ造成された土地に家が建つようになるのはまだ先のこと。沿線の人口が減ってしまったから、通勤や通学の利用者数も減少しています。それでも三鉄は通期黒字を実現しているのです。その原動力は県内外からの観光客。
観光のお客さんに来てもらうためには、そうイベント列車の企画で勝負なのです。三鉄の企画列車、イベント列車の多彩さは三陸鉄道のホームページでぜひご覧ください。
いわてさんりく恋列車、しおさいのメモリーズ号、震災学習列車、お座敷列車、こたつ列車、レトロ列車、駅弁列車、歌声列車、ランチorスイーツ列車などなど数々の企画列車を生み出し続けるのは、地域の足として三鉄が生き延びる道だから。
復活までの道のりは険しかったけれど、走り続けていくのも大変です。さらにあの山田線の運営まで三鉄は手掛けることになっているのです。どこまで試練は続くのか、って気になってしまうほど。だけどきっと、それでも三鉄は走り続けることでしょう。三陸海岸の地域をつなぐ足として。だからきっと、超お買い得でむっちゃ美味しいタルトケーキのような商品も、イベント企画も次々と生み出されて行くことでしょう☆☆☆
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