すごい。頭が下がるとしか言いようがない。気象庁や土木の専門家は、危険の継続を警告している。土木学者は堤防の決壊したところでは、決壊カ所の修復がまず必要で、それには1週間から10日、いやそれ以上かかるだろうと言っている。
それでも、東北の被災地からは、焼き魚の真空パックを送りたいから送付先を教えてという声があがっている。
復旧作業に必要な資機材、たとえば一輪車とかスコップとか土嚢とかマスク、発電機、アルミ三脚、銀マット、ブルーシートなど、支援活動に不可欠なものの支援を要請する発信があがっている。そして「明日、現地に入ります!」
大雨をおしてすでに現地に入った東北出身の緊急災害ボランティアの面々もいる。自衛隊の人たちと支援協力について(もちろん非公式だが)話し合ったりもしている。
みんな、テレビやネットで見た映像の向こう側にあるものをリアルに理解することができる人たちだ。もちろん、誰もがそんなことをし始めたら、現地は収拾が取れなくなるだろう。だからこそ、自立して活動を立ち上げ、安全を確保し、自律的に行動できる「災害を自ら知っている人たち」だからこそ、彼らは貴重な存在なのだ。
ボランティアセンターが立ち上がるまでの間、民間にしかできないことで支援の隙間を埋める活動。そんな活動に取り組んでいる人たちに敬意を表したい。
そんな半分ボランティアのプロでなくても、私たちにできることはある。現地の状況が緊急から復旧に変わる頃には必ずボランティアを受け入れるためにボラセンなどの組織が立ち上がる。ボランティアセンターなどの組織が立ち上がった後こそが、たくさんの人の手が必要になるボランティア活動の本陣とも言えるものだ。
ガテン系は苦手という人でも、泥出しのバケツリレーなら参加できるかもしれない。災害にあったご家庭の方との話し相手という重要な役割もある。ちょっとした気遣いが心のつながりを生んで行く。
その地に行けなくても、資金援助という方法もある。お金だけではない。いま現地でどんな活動が行われているのか、被災された方がどんなお気持ちでいるのか、本当に足りないと感じていられるのが何なのか、伝える仕事もある。ひとりの友人に伝えるだけでも世の中を動かす力になる。
夜が開けるとともに、豪雨災害の被災地の被害状況がどんどん明らかになっていくだろう。考えられないくらい広い範囲で、大きな傷跡が残されたことを、私たちはテレビや動画のモニターを通じて知ることになる。
アニメやドラマを見る同じモニターに映し出されることを、どう感じるのか。問われているのは私たち自身なのだろうと、この夜空の下、いままさに走っている人たちの姿を想像しながら思う。
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