山梨豪雪、ボランティアの心を奮い立たせよう!

iRyota25

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出典:livedoor.blogimg.jp

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雪は重たい。しかし、人の思いはもっとずっと重いはずだ。

関東甲信越から東海地方の山沿いを中心に、町を氷河のように埋めた今回の豪雪。
交通機関のマヒや鉄道事故など、都心部でも容易ならざる事態が頻発したこの週末、東日本大震災で甚大な被害を受け、今なお町の復旧に手がつけられていないような状況にある東北から、何チームもの人たちが関東エリアに駆けつけている。

自然災害によって多大なる被害を被った自治体では、地域外からのボランティアを受け入れるためにボランティアセンターという組織が立ち上げられる。多くの場合、社会福祉協議会など普段から地域で福祉活動を行っている組織が中心となって、緊急時のボランティアを受け入れる組織を立ち上げるわけだ。

しかし今回のように、これまで雪による地域の孤立、独居する高齢者の孤立、雪に埋もれた状態で日常生活を送ることが困難になった人たちへのケアなどという事態を経験することがなかったり、想定すらしていなかった地域では、即時即応の対応に追われて、緊急のSOSを発している人たちのニーズをカバーしきれない場合も出てくる。

東日本大震災で想像を絶する被災を体験し、その直後の混乱を身を以て経験している東北の人たちの中から、そんな時だからこそ俺たちが動くんだという行動が、所属とか組織とかを超えてわき上がるようにして生じているのは、故なきことではない。彼らは、いまだに復興のかけ声すら聞き出せないような町から、長駆クルマを走らせて関東周辺の豪雪被災に結集してきた。思いはひとつだ。同じ苦しみを味わってほしくないーー。

考える前に踏み出せる一歩がある

ぼくは今、山梨県の南に富士山を境にして接する静岡県にいる。静岡県でも御殿場市や富士宮市など山間のエリアは豪雪によって想像を絶する被害を受けた。そんな市町村に連絡をとり、ご多忙を押して、ボランティアの招請について尋ねた。

沼津市や三島市から富士山の裾野の東側をのぼって行ったところに位置する裾野市では、雪の処理はかなり進んでいるという。行政ではなく知り合いの消防団関係者に尋ねてもみたが、自衛隊の初動が早かったおかげで、一両日のうちに状況は好転するという話だった。

裾野市からさらに富士の裾野を登って行った御殿場市の危機管理室の話では、独居世帯への支援に関して、社会福祉協議会を中心に地域や地域外からのボランティア受け入れの大勢づくりを進めていると聞いているとのこと。しかし、社会福祉協議会に電話をしても連絡がとれない。現場に人員が割かれて、ボランティアを受け入れるための体勢をつくれない状況にあるのかもしれない。

御殿場市から北に峠を越えた山中湖村の社会福祉協議会に聞いたところ、ボランティアを受け入れるボランティアセンターはまだ設置できていないとのことだった。それ以前に、県境を越えて域内に入る幹線道路の除雪がまだまだ十分ではなく、国道でもようやく片側交互通行が可能になった状態という話だった。

地元の行政は動いている。電話で話を聞きながら、そのことは実感できた。よかったと思った。しかし、東日本大震災でも、その後に頻発した水害、竜巻、そして年末年始から続く豪雪災害について、何度も繰り返し聞いてきた話がある。

もちろん、立ち上げられたボランティアセンターは頑張っている。その母体となる社会福祉協議会や行政の人たちも頑張っている。でも、いくら頑張っても、災害が起きた後から組織を整備し立ち上げ、住民のニーズを聞き取ってというプロセスでは、そこから漏れてしまう人たちが少なからず出てきてしまう。

昨年の伊豆半島の豪雨災害でボランティアに参加した時にも、似たようなことを経験した。ボランティアセンターは機能していた。しかし、被害を受けた住民が「ほんとうはやってほしい」ことを行政側にフランクに伝えられない雰囲気があったために、書類上はボランティア活動が足りても、実際のニーズとの間に乖離があった。ボランティアセンターは、住民ニーズの本当のところをヒアリングするために、具体的に体を動かすボランティア活動を一時休止する必要に迫られたほどだった。

本当に求められている切実なニーズがこぼれ落ちることが、ままあるのだ。

被災を経験した人たちはそのことを肌身に染みて知っている。だから、たとえ行政側の組織が立ち上がっていなくても、現地に駆けつけ、見たままで判断し支援を行い、そしてその輪を被災した住民の人たちと同じ目線で広げて行った。

大川小学校のイルミネーションで紹介した、岩手県大船渡市の新沼暁之さんたちが立ち上げた「災害緊急支援 311Karats」がまさにそんな動きを徹底しているグループのひとつだ。

災害緊急支援という言葉には、救助のための組織が立ち上がる以前の、本当に緊急のニーズが重要だという経験に裏打ちされた思いが込められている。

誰のせいでもない多大な被害を受けてしまったとき、多くの人たちは自ら高く声をあげることはない。しかし、声をあげなくても、生活が切羽詰まるほどの窮地に立たされている人がたくさんいる。その場に行って、いっしょに体を動かして、そして初めて分かることがたくさんある。

ただでさえ、今回の豪雪は山梨県や長野県を中心に関東甲信越地域の広い範囲に甚大な影響を及ぼしている。動ける人が動く。肉体として動けなくても、ちょっと長電話して状況を、ほんとうの状況を聞いて、それを拡散する。そんな動きが切実に求められているのだと思う。

ぼく自身は、初動が遅れたのが悔やまれてならない。でもここから、できることをやっていこうと思っている。山梨は東京と埼玉と神奈川と静岡と長野の隣県。長野は埼玉と群馬と新潟と岐阜と愛知と静岡の隣県。

いまこそ、お隣の意識を呼び覚まそう。

文●井上良太

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