テレビのニュースで見て調べてみて初めて知った。これはなかなかすごい。デモンストレーションで市職員のオフロードバイク隊員たちが、ぽっちゃりお腹も顧みずテキパキ動き回る。
静岡市オフロードバイク隊
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Motoyoshi3さんの投稿
震災後の福島県双葉町でもオフロードバイクが活躍
震度5強を超えるような地震が発生すると交通網や連絡網に深刻な障害が発生する可能性が高い。「深刻な障害」なんて抽象的な言い方をしてもピンときませんよね。具体的に言うならば、電線は切れて停電するからテレビやパソコンからの情報が途絶える。電話線も切れるから固定電話は繋がらない。携帯なら大丈夫かというと、基地局間の通信が途絶したり通話が集中することで数分から数十分で接続不能になる。
もっと言うなら、都道府県などが立てている災害対処の計画など、そのすべてが通用しない「想定外」の事態が町のあちこちで発生する。
人の命を、他人が作った基準からの「想定外」で失わせることなどあってはならない。
最後の手段、自力でクルマを走らせて……といっても、強震・激震・烈震と呼ばれるような大地震では地割れや法面の崩壊、液状化による陥没、落橋(橋が地震で落ちてしまうのですよ!)などで道路網が寸断される。
地割れなどで30センチも段差ができれば通常のクルマは走れない。橋が落ちると前述したが仮に落ちなくても、橋と道路の間では地盤の強さが全然違うので、踏み掛け盤という手前のコンクリート構造物と橋そのものとの間に大きな段差ができて通行不能になる。道路の下に股線通路があるような場所でも、通路の箱状の構造物と道路との間にほぼ確実に大きな段差ができて通行不能になる。平成16年の中越地震では関越自動車道が段差だらけで通行できなくなった。
東日本大震災直後の福島県双葉町では、消防団に所属する人が自前のオフロードバイクにまたがって、震災後に混迷を続ける幹線道路や生活道路での交通整理や、町内の状況把握に走り回ったという。
田んぼでも畑でも走り抜けていけるオフロードバイクだからこそ行動できたと友人は話していた。確かにそうだろうなと思った。
そんな事態を想定して、静岡市ではオフロードバイク隊を発足させていた。
しかも、それは東日本大震災を契機にしたものではなく、阪神淡路大震災の経験を生かすために立ち上げられたものなのだとか。
静岡市オフロードバイク隊「スカウト」は 静岡市職員で構成され、身分は防災対策課兼務または併任で24人で発足。平成26年度は34人(うち女性隊員1人)だという。
トラックまで登場するところなんて「ワイルド7」みたいでカッケーなんて不謹慎な感想は措くとして、実際の震災後に道路や地形が大きく変動することを前提にして組織されたというその経緯に頭が下がる。
静岡県は1970年代から想定東海地震を前提とした訓練を繰り返してきた。そのこと自体は貴重なことなのかもしれないが、長年訓練を続けてきたことによる「慢心」を感じさせられる場面も少なくなかった。
道路が壊れることで交通網が寸断するのみならず、情報伝達が不能になる状況は、考えれば想像することは可能だろう。その対策として実際に組織を動かして設立されたこのバイク隊は本当に立派だ!
地震や災害はいつ訪れるか分からない。本当に必要とされるその時まで、即行の精神を維持し続けていただきたい。チャンスがあればぜひ、応援に行きたいね!
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