チリ沖でM8.2の地震。津波も発生したもよう

iRyota25

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USGSのページより

USGSのページより

本日午前8時46分46秒、南米チリの太平洋沖でマグニチュード8.2の地震が発生。米国地質調査所(USGS)が発表しました。

場所はチリ北部、ペルーとの国境に近いイキケ市の北西95kmほどの太平洋上(19.642°S 70.817°W)で、震源の深さは20.1kmとのこと。

太平洋東部でナスカプレートが南アメリカプレートに沈み込むプレート境界で発生した大地震の可能性があります。

東北方面の知り合いの人たちは、フェイスブックなどでこの地震と津波に対して多くのリアクションを寄せています。しかし、それ以外の地域では関心はあまり高くないかもしれません。

遠隔地地震波による津波は、日本の沿岸部に広く影響するものです。他人事ではありません。

太平洋は丸いので、南米から離れることで拡散した津波が、レンズ効果で再び日本付近で集束することもあるようです。日本の沿岸部への津波到達は明日の未明から早朝になると思われますが、十分な注視が求められます。

10時31分発表の津波情報

この地震による津波について、太平洋津波警報センター(PTWC:アメリカ海洋大気庁NOAAの組織)は日本時間10時31分、4段階の津波情報のうち「high」に相当する3段階目のセキュリティ情報を発しました。

震源付近を含むチリ、ペルー、エクアドル、コロンビア、パナマの沿岸部には「TSUNAMI WARNING」(警報)が、

コスタリカ、ニカラグア、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、ホンジュラスには「TSUNAMI WATCH」(注意報に当たるのでしょうか?)が出されています。

その他の地域への影響については、現時点では情報のみ」とされました。

現時点では日本への津波の影響は報告されていません。

気象庁から発表される情報に注意してください

NHKのニュースWEBによると、

気象庁によりますと、この地震で、チリ北部の都市ピサグアの検潮所で1メートル92センチの津波を観測しました。
気象庁は、この地震で日本への津波の影響があるかどうか調べています。

南米チリ沖でM8.2の地震 津波の影響を調査 NHKニュース

とのことです。約2メートルは相当な高さです。また、あくまでも検潮所でのデータなので、これがすべてではないと思われます。
念のため、気象庁から発表される津波に関する情報に十分注意してください。

「地図蔵」の「地震速報マップ」より
「地図蔵」の「地震速報マップ」より

上の画像の「地図蔵」の「地震速報マップ」によると、震源の周辺では地震が頻発している模様です。余震と思われる地震が広がっている様子を見ると、素人目にもプレート境界地震であった可能性がうかがえます。現地の状況が心配です。

また、この本震についての規模や震源などの解析では、米国地質調査所(USGS)と国立地震情報センター(NEIC)の発表で若干の食い違いが見られます。
(NEICによるとマグニチュードは8.0で、震源の緯度経度は19.630°S 70.863°W、震源の深さは10.0km)

現在あがっている情報から考えて、地震規模や現時点で報告されている津波高さに関わらず、十分な警戒と情報への注視が必要です。

ここまでの情報ソース(まだ続きます)

気象庁から情報が出るまでには時間が掛かります。大丈夫なのか、警戒が必要なのか、「地震がありました」との短いニュースだけでは分かりません。今回の地震ではニュースによって情報が微妙に違うということもありました。

だったらいっそネタ元から直接情報を取ってみては?

USGSやPTWCのページは英語表記ですが、単語と数字を見れば多くのことが理解できます。

 Welcome to the USGS - U.S. Geological Survey
www.usgs.gov  

米国地質調査所(USGS)のトップページ。左列真ん中あたりの「Significant Earthquakes」に最近の地震情報が掲載されています。

 M8.2 - 95km NW of Iquique, Chile 2014-04-01 23:46:46 UTC
earthquake.usgs.gov  

今回の地震についての報告ページ。技術的なサマリーのほか、太平洋津波警報センターへのリンクもあります。

 Pacific Tsunami Warning Center
ptwc.weather.gov  

太平洋津波警報センターのトップページ。過去30日間の津波情報が掲載されます。

 地震速報マップ
japonyol.net  

「地図で距離測定: Google Maps」でおなじみの「地図蔵」のページ。世界で発生した地震情報が1週間以内分、日本時間で表示されます。

気象庁から暫定的な発表がありました

日本沿岸への影響の有無と程度については調査中で、今夕には発表できるとのことですが、気象庁では11時から記者会見を開き、津波の可能性などについて説明しました。

地震の概要及び津波警報等の発表状況
発生日時4月2日08時46分頃(日本時間)
マグニチュード8.2
場所チリ北部沿岸(南緯19.8度、西経70.8度)
(震源は太平洋津波警報センター(PTWC)による)
津波警報等日本への津波の有無については現在調査中

○ 海外の津波の観測状況(10時15分現在)

<国・地域名>  <検潮所名>  <津波の高さ>
 チリ       イキケ     2.11m
 チリ       ピサグア    1.73m
 チリ       パタッシュ   1.51m
 チリ       アリカ     0.93m
 ペルー      マタラニ    0.53m
○ 防災上の留意事項

太平洋の広域に津波発生の可能性があります。
日本への津波の有無については現在調査中です。今後発表される情報に注意して下さい。
○ 今回の地震の震央付近で過去に発生した地震による津波

1960年 5月23日  Mw9.5   太平洋沿岸で1mから4m程度
1985年 3月 4日  Mw7.9   18cm(八丈島)
1995年 7月30日  Mw8.0   29cm(八戸)
2001年 6月24日  Mw8.4   28cm(根室市花咲)
2007年 8月16日  Mw8.0   15cm(根室市花咲、八戸、宮古、石垣島石垣港)
2010年 2月27日  Mw8.8   1.2m(久慈港、須崎港)


図表等を含めた資料全文につきましては、下記の「資料全文」をご参照下さい。

気象庁|報道発表資料 2014年4月2日11:00

太平洋上での津波移動時間
太平洋上での津波移動時間
日本近海での津波移動時間
日本近海での津波移動時間
 2014年4月2日8時46分頃にチリ北部沿岸で発生した地震について[PDF形式: 1,207KB] 気象庁|報道発表資料 2014年4月2日11:00
www.jma.go.jp  
 【この記事の続報】「気象庁がチリ北部沿岸地震による津波について会見 」
potaru.com
 【関連ページ】[注意喚起] 津波の水位が上昇しています!
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文●井上良太

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