2014年3月11日 今日の東電プレスリリース

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3月11日(火曜日)公開の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」を、前日からの変化や変更を中心にチェックします。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日
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 東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力
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「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に役立ちます。

各号機の状況についての記載に先立って、冒頭に特記された事項について、それぞれ見出しを立てます。見出しはこの記事の筆者によるものです。

6号機残留熱除去系の系統水の一部が圧力抑制室に流れていた件(2月24日)で、安全弁の点検の準備作業として、配管内の水抜きを行っていたところ、6号機原子炉建屋地下2階南西側サンプエリアで漏えい

2月24日に発見された6号機残留熱除去系A系(非常時熱負荷運転中)の系統水の一部が圧力抑制室に流れている件で、原因と考えられた残留熱除去系ポンプ吸込ライン(A系、B系共通ライン)に設置されている安全弁の点検を行うための準備作業を実施。
配管内の水抜きを行っていたところ、3月11日午後0時22分頃、6号機原子炉建屋地下2階南西側サンプ(*)エリアで漏えい検知器が動作。その後、同じエリアで水溜りを確認。考えられる漏えいの原因と、水溜りの水の分析結果を記載。

3月11日、当該安全弁の点検の準備作業として、配管内の水抜きを行っていたところ、同日午後0時22分頃、6号機原子炉建屋地下2階南西側サンプ(*)エリアで漏えい検知器が動作したことから、現場確認を行い、当該エリア床面に水たまりを発見。

同日午後0時28分頃に配管内の水を送っていたサンプから、同じエリアにある別のサンプへ水を送っていた仮設ポンプを停止したことにより、漏えいが停止したことを確認。

漏えいの原因については、仮設ポンプで水を送っていた移送ホースの先端がサンプから外れて床面に水が漏れたものと推定。

漏えい範囲は2箇所(約3m×約2m×深さ約5cm, 約1.5m×約1m×深さ約2cm)で、漏えい量については漏えい範囲から約330Lと推定。

また、漏えい水の分析結果は以下の通り。
・コバルト60:2.4×104Bq/L
・マンガン54:6.7×102Bq/L
 (全ガンマ:2.5×104Bq/L)
漏えい水の放射能量(ガンマ核種)は約8.3×106Bq。
引き続き漏えい状況および原因等を調査する。

(*)サンプ:各建屋内の機器(ポンプ・配管等)からの排水・漏えい水等を処理するために一時貯蔵するための水槽。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

仮設ポンプで配管内の水ぬきを行っていたホースの先端が、水槽から外れていた「単純ミス」を思わせる原因推定が行われていますが、サンプそのものの健全性についての検証も待たれるところです。

また、そもそも安全弁の点検作業を行う必要を生じさせた「残留熱除去系から圧力抑制室への漏えい」というインシデントの検証が進んでいないこと、検証のための作業でさらにインシデントが発生してしまう状況であることは、留意すべきと考えます。

2-3号機間のシルトフェンスの除去

※3月11日、海側遮水壁工事(港湾内)における遮水壁内側の埋め立てにより、2-3号機間に設置したシルトフェンスが不要となることから、撤去を実施。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

1号機~3号機

新規事項なし。

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月8日午前10時5分~)

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→プロセス主建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月10日午前9時51分~)

4号機

・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※3月10日午前11時13分、4号機使用済燃料プール代替冷却系について、当該系統の循環冷却設備弁の交換等を行うため、停止。その続報を新規事項として記載。

同日午後6時17分、作業が終了したことから、使用済燃料プール代替冷却系を起動。

なお、運転状態について異常はなく、使用済燃料プール水温度は停止時の13.0℃から13.3℃まで上昇したが運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題なかった。

3月11日午前9時45分、昨日に引き続き当該系循環冷却設備弁の交換後のケーブル接続および作動確認を行うため、停止。

同日午前10時45分、作業が終了したことから、使用済燃料プール代替冷却系を起動。なお、運転状態について異常はなく、使用済燃料プール水温度は停止時の13.1℃から変化なし。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

5,6号機

新規事項なし。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし。

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

水処理設備および貯蔵設備の状況

第二セシウム吸着装置(サリー)の停止にともない、セシウム吸着装置を運転。

・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

※3月10日午前10時54分、第二セシウム吸着装置(サリー)の空気作動弁の駆動用空気供給ラインを、信頼性向上の観点から既設の樹脂製チューブを銅製チューブへ交換するにあたり、当該弁の操作ができなくなることから第二セシウム吸着装置(サリー)を停止。

同日午後4時16分、第二セシウム吸着装置(サリー)の停止に伴い、セシウム吸着装置を起動し、同日午後4時40分、定常流量に到達。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況

最新のパトロールと最新のサンプリング実績について記載。

<最新のパトロール結果>
3月10日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

1~4号機タービン建屋東側の状況

最新のサンプリング実績について記載。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

地下貯水槽の状況

最新のサンプリング実績について記載。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年3月11日
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以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年3月11日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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