3月14日(金曜日)公開の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」を、前日からの変化や変更を中心に見ていきます。
凍土遮水壁の実証試験(凍結試験)開始
※3月14日午後1時35分から、共用プール西側において、凍土遮水壁の実証試験(凍結試験)を開始。
1号機タービン建屋1階通路に水溜り
※3月14日午前11時15分頃、1号機タービン建屋1階通路南側付近において、約2m×約10m範囲の水たまりがあること、また、天井から水が壁を伝って流れ込んでいることを当社社員が確認した。現在、現場の状況を確認しているが、屋外への漏えいは確認されていない。今後、当該箇所にたまっている水の分析を実施する。
6号機残留熱除去系安全弁の点検実施
※2月24日に6号機残留熱除去系A系(非常時熱負荷運転中)の系統水の一部が圧力抑制室に流れていることを発見。漏えい箇所を調査したところ、残留熱除去系ポンプ吸込ライン(A系、B系共通ライン)に設置されている安全弁から系統水が流れ込んでいる可能性が高いことを確認したことから、3月13日から当該安全弁(F-005)の点検を実施中。
1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
新規事項として、使用済燃料プール代替冷却系の停止を記載。
・3月14日午前6時48分、1号機使用済燃料プール代替冷却系について、1,2号機排気筒の落下物に対する防護対策等を実施するため、冷却を停止(停止時プール水温度:12.0℃)。なお、停止期間は3月24日までを予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.066℃/hで停止中のプール水温上昇は約16.5℃と評価されることから、運転上の制限値60℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題なし。
2号機~6号機
新規事項なし。
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月8日午前10時5分~)
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし。
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項として、第二セシウム吸着装置(サリー)の再起動を記載。
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
※3月10日、信頼性向上の観点から、空気作業弁の駆動用空気供給ラインを樹脂製チューブから銅製チューブに交換するにあたり、第二セシウム吸着装置(サリー)を停止。3月14日、同作業が終了したことから、同日午後2時17分、第二セシウム吸着装置(サリー)を起動し、同日午後3時5分、定常流量に到達。
なお、第二セシウム吸着装置の起動に伴い、同日午後9時4分、セシウム吸着装置を停止。
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
最新のパトロール結果とサンプリングについて新規記載。
<最新のパトロール結果>
3月13日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
最新のサンプリング実績について記載。
<最新のサンプリング実績>
3月11日に採取した1~4号機タービン建屋東側の地下水観測孔No.2-6のセシウム134およびセシウム137の測定結果が前回値(3月6日採取分)に比べて高かったことから、3月12日に再採取および分析を行ったところ、上昇前の値に戻っていることを確認。
[地下水観測孔No.2-6の測定結果:3月12日採取分]
( )内の数値は、3月11日採取分の前回値
・セシウム134:検出限界値未満[検出限界値:0.41 Bq/L](17 Bq/L(お知らせ済))
・セシウム137:検出限界値未満[検出限界値:0.51 Bq/L](50 Bq/L(お知らせ済))
上昇した原因として、微量な懸濁物の混入があったものと推定。
その他の結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽の状況
最新のサンプリングについて記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年3月14日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: