2014年2月10日 今日の東電プレスリリース

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脱原発が争点となった東京都知事選挙の開票翌日、2014年2月10日の東京電力発表のリリース「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」をチェックします。

 東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力
www.tepco.co.jp  

「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に使えます。

5,6号機周辺で新たな漏洩が見つかりました。

冒頭特記事項

◆「2月10日午前11時30分頃、5,6号機北側のFタンクエリアで構内散水用の水がポンプから水が漏えいした」件

※2月10日午前11時30分頃、5,6号機北側のFタンクエリアにおいて、5,6号機地下滞留水を浄化した構内散水用の水を、散水車へポンプで移送していたところ、ポンプから水が漏えいしていることを当社社員が発見。

漏れた水は堰内の鉄板上に留まっており、漏えいは停止していることを確認。その後現場を確認したところ、当該ポンプのケーシング部が凍結の影響により破損し、漏えいが発生したものと推定。当該ポンプについては交換を行う。

なお、漏えい量については、破断面積と流出時間より、約20リットルと推定。また、漏えい水の過去の分析結果は以下のとおり。

・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.4×10-3Bq/cm3)[平成26年2月6日採取]
・セシウム137:2.9×10-3Bq/cm3[平成26年2月6日採取]
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:1.4×10-2Bq/cm3)[平成25年11月8日採取]

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

ポンプが凍結で変形するような寒さの中、構内散水の水を散水車に移送する目的がなんなのか、記載からではよく分かりません。

5,6号号機の地下滞留水を、構内に撒くことができるようになるまで浄化した方法が分かりません。あるいは5,6号号機の滞留水はもともと汚染度が低かったということなのでしょうか。

漏洩水の過去の分析結果を1リットルあたりに換算すると以下のとおりになります。

・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.4Bq/L)平成26年2月6日採取
・セシウム137:2.9Bq/L 平成26年2月6日採取
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:14Bq/L)平成25年11月8日採取

◆「2月6日午前10時50分頃、5,6号機北側のFタンクエリアに設置しているAタンクとBタンク間での水漏れ」の件(続報)

2月7日のリリースで発表された内容の続報。

 【ぽたるページ】東電プレスリリース毎日チェック ! 2014年2月7日
potaru.com

漏えい停止後に目視にて漏えい部を確認したところ、ガスケットの損傷が見られたことから、当該ガスケットを交換。漏えいの原因は凍結によるガスケットの損傷と考えている。その後、当該漏えい部および通水ラインの水張りを行い、漏えいがないことを確認し、2月10日、滞留水の移送を再開した。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

凍結による機器の破損が原因と考えられる漏洩が相次いでいます。寒い季節はまだまだ続く。抜本的な対策は可能なのでしょうか。
原因が何であれ、汚染水の漏洩は極めて重大な問題です。放射能の高い汚染水が漏洩・流出することがあれば、国内はもとより海外からも厳しく追及されることになるでしょう。危険性の高い施設・設備から重点的な点検や対策が求められています。

1号機(平成24年4月19日廃止)

新規事項(東電のリリースではアンダーライン表示)はありません。
記載内容は下記の通り。

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

2号機(平成24年4月19日廃止)

1号機と同様の4項目の加えて、以下の部分が新規事項として記載されました。

2号機タービン建屋→3号機タービン建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年2月10日午前10時~)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

2号機タービン建屋→3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)というバケツリレー的な汚染水の移送が再開されたということです。

3号機(平成24年4月19日廃止)

1号機と同様の4項目に加え、3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)の汚染水移送について記載。
新規事項なし。

4号機〜6号機

新規事項なし。

共用プールと水処理設備および貯蔵設備の状況

これらも新規事項の記載はありません。

H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況

最新のパトロール結果とサンプリング結果のみ新規事項としてアンダーライン表記。

<最新のパトロール結果>
平成26年2月9日のパトロールにおいて、目視点検により漏えい等がないこと(降雪や凍結により漏えい確認ができない箇所を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。なお、平成26年2月9日の福島第一南放水口付近および福島第一構内排水路については、積雪による影響のため採取できていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1~4号機タービン建屋東側の状況

最新のサンプリング実績について新規事項を記載。

<最新のサンプリング実績>
2月7日、地下水観測孔No.2-9のサンプリングを実施(初採取)。分析結果は以下のとおり。
[地下水観測孔No.2-9の分析結果:2月7日採取分]
・トリチウム:13,000 Bq/L
・全ベータ:1,700 Bq/L

地下水観測孔No.2-9の分析結果については、採取した水に懸濁物が多いため参考値扱いとしているが、トリチウムの分析結果が、2,3号機取水口間におけるウェルポイント汲み上げ水のトリチウム濃度と比べ約2倍となっており、採取時に放射性物質が混入した可能性が考えられることから、準備が整い次第、再サンプリングを実施予定。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

「採取時に放射性物質が混入した可能性が考えられる」との仮説を実証する調査の実施ももちろん求められる。

地下貯水槽の状況

新規事項は、最新のサンプリング実績のみで、内容は積雪のためサンプルをとれなかったというもの。

<最新のサンプリング実績>
平成26年2月9日は、積雪による影響のため採取できていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年2月10日
www.tepco.co.jp  

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月10日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太

最終更新:

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