除染の現場 3  ~服装~

suyasuya

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除染ではあの白い服を着ています。どんな効果があるのかわかりますか?
放射線を防ぐため?ではありません。
外部から放射線を浴びることは、もちろん避けるべきですが、体内に放射性物質を取り込み、体内から放射線を浴びる内部被ばくが、最も避けるべきことです。
体内に放射性物質が入ると、体内にある限り、常時放射線を浴びることになります。
しかも放射性物質と臓器が近いため、放射線の影響を受けやすくなります。放射性物質との距離が大きければ、影響は小さくなりますが、距離が近ければ急激に大きくなります。(距離の2乗に反比例して大きくなります)
そのために放射性物質を体内に入れないことが非常に重要です。
白い防護服は、身体、衣類への放射性物質の侵入を食い止めるために、着用します。
通常の衣類と同じで、放射線を防ぐことはできないので、注意してください。
作業後に廃棄することで、放射性物質を隔離できます。つまり、雨の日に着るカッパと同じです。通称、製造メーカーの商品名であるタイベックと呼ばれます。
軽くて強く、通気性が悪いので、冬は暖かいのですが、夏は暑くて大変です。サウナ状態で一気に減量します。
普通の服では、洗濯しても、放射性物質が残る可能性があるため、専用の防護服を使用して、使用後は廃棄するのが望ましいのです。

現場では、防護マスクも使用します。鼻や口から吸入しないように、厳重に作られたガスマスクのようなものです。
防護服(タイベック)、防護マスク、長靴、ゴム手袋で装備完了です。物々しい格好ですが、おまけとして個人線量計があります。法令により、高線量地域では、作業中にどれだけ被ばくしたかを確認する必要があります。

体内にどれだけ放射性物質を取り込んだか、調べるのがホール・ボディ・カウンターという機械です。たまに一般の人の内部被ばくが見つかることがあります。調べてみると山のキノコ食べていたというのが多いようです。汚染したものを知らずに食べ続けた結果、体内に放射性物質が溜まったものです。
体内に入っても、自然に排出されていくのですが、食べ続ければ、排出より摂取が上回り、蓄積します。キノコは採れる時期が短いため、摂取量も多くなく、深刻に悩むことはありません。とはいえ放射能検査で安全を確認することは当然です。

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