放射線は怖くない (2)

suyasuya

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低すぎる食品放射能基準値

原発事故で放射性物質が拡散して、食物にも影響が出ました。厚生労働省から放射能暫定基準値が1Kgあたり食物で500Bq(ベクレル)、水が200Bqと決められましたが、この数値は高すぎるとの批判が相次ぎ、平成24年4月に新基準値は1Kgあたり食物が100Bq、水が10Bqと決められました。
 世界で認められた基準値は、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などで研究して設定しているもので1Kgあたり食品基準1000Bq(米国では1200Bq)であることと比較すれば、異常に低いことがわかります。
厳しい数値の設定で安全性は確保されると考えがちですが、思っていた以上に放射能は危険だとの認識が強まり、福島県及び近隣県の農業に深刻な問題を引き起こしました。
1Kgあたり100Bqを超える山菜、農作物が報道されるたびに出荷制限が出され、福島県及び近隣県の農作物は食べられないと考えられ、スーパーの店頭から姿を消していきました。
青森でも120Bqのきのこが見つかり話題になりましたが、これはアメリカ、ソ連などの核実験の影響で、原発事故がなければ話題にならなかったといわれています。
本来、問題にならない低レベルの放射能汚染が、ニュースになるほど低すぎる基準値設定による弊害といえるのです。
基準値を低くしたことが、実は放射能の恐怖をあおり、結果として農家、消費者に大きなダメージを与えてしまったのです。
世界保健機構(WHO)や東京大学の研究で、原発事故で周辺地域の住民に放射能による健康被害は観察されていないということが明らかになりました。住民が被ばくした放射線量は非常に低く、健康被害が生じることは考えられません。

体内の放射性物質

自然界には、放射性物資が多く存在しています。植物、動物に不可欠な栄養素の一つであるカリウムにも、放射線を出す放射性カリウム(40K)が含まれているため、カリウムを必須とする生物はすべて、放射性物資を持っています。
ほとんどの食物にはカリウムが含まれているため、毎日、放射性物資を食べ続けていることになります。その量は、1日平均50Bq(ベクレル)です。ただし必要以上のカリウムは排出されますが、体内には(成人男子体重60Kg)で4000Bqの放射性物資があるのです。

ダイオキシン問題

以前にダイオキシンが大問題になったことがありました。ゴミを燃やすと猛毒のダイオキシンが発生して危険なので、大型の焼却炉を使用するように法律が改正されました。
今までの焼却炉ではダイオキシンが発生するので、従来のごみ焼却炉や個人、会社で使用する焼却炉が使えなくなりました。さらに、たき火まで禁止されました。
ダイオキシンは、動物実験でもモルモットとハムスターでは5000~8000倍も影響が違うので、人間に対しての影響はよくわかっていません。ダイオキシンが猛毒というのは、ある動物(モルモット)に対して正しくても、人間に対しては不明なのです。
世界中でダイオキシンを扱った工場、作業従事者、農薬従事者、事故による摂取者などの被害を詳細に調べた結果、異常がなく「ダイオキシンは、ほとんど健康に影響しない」と結論されました。発がん性については、ダイオキシン作業従事者等はがん患者が少ないとの報告がありました。
ダイオキシンが本当に猛毒であれば、発生源である焼却炉の作業員、農薬従事者に重大な障害が発生していたはずです。今まで何の被害がなかったところに、猛毒物質が出るから勝手にゴミを燃やすなという信じがたい悪法ができてしまったのです。

マスコミの影響

どうしてこのようなことが起きてしまうのか?それはマスコミの圧倒的な影響によるのです。
私たちはマスコミの情報を基準にして、世の中の動きを知り、これからの予想を立てて行動します。個人として確かな情報源を持たないため、マスコミの情報は暗黙の真実として私たちに働きかけてくるのです。
マスコミが取材して、危険と安全の意見があれば、ニュースになる危険な意見を取り上げ、安全な意見を無視するところがほとんどです。危険となれば視聴者が飛びつき、視聴率が上がるからです。
一旦、危険となればマスコミ各社が報道合戦するため、誰もが危険と思い、世論はエスカレートします。世論が危険となれば、政治家は危険を規制する法律を作ってしまうのです。ダイオキシン特別措置法が好例です。
マスコミの情報は重要です。しかしすべてが真実ではありません。視聴率を重視するあまり、真実を隠したり、一方の意見のみ取り上げる会社が多すぎるのです。
原発事故の報道も同じです。汚染した食品は危険だとマスコミがあおったため、国際基準である1Kgあたり1000Bqが500Bqになり、翌年には100Bqに下げられました。
専門家は国際基準で十分安全だと発表していたにもかかわらず、マスコミの危険攻勢にかき消されました。
当時、「危険という意見もあるが、安全という意見もある」という中立的な報道があれば、こんなに深刻な影響は出なかったはずです。
原発事故は重大な事故でした。事故の責任追求も必要ですが、今後の対策、復興を順調に進めるためにどうするか、将来を見据えた良識のある報道を期待しています。

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