山根恵里奈・・・規格外!187cmの潜在能力はワールドクラス 【なでしこジャパン選手名鑑】

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 アルガルベ杯でベールを脱いだ新生なでしこジャパン。2年後のカナダワールドカップ、3年後のブラジル五輪に向けて、若手に経験を積ませるという佐々木監督の狙いが話題を呼びました。澤、宮間らのベテラン組を外し、U-20代表から田中陽子、田中美南など初代表組を多く選出した新生なでしこ。今大会で注目の選手をピックアップしたいと思います!

【山根 恵里奈】やまね・えりな

生年月日:1990年12月20日(22歳)
出身地:広島市南区
身長 体重:187cm 76kg

在籍チーム:ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
ポジション:GK
背番号:17
利き足:右

JFA主催、スーパー女子プロジェクトのセレクションに合格

 山根恵里奈は日本サッカー協会が主催するスーパー女子プロジェクトに合格し、JFAアカデミー福島の1期生になりました。2004年から開催されたスーパー女子プロジェクトとは、女子代表GKの大型化を目指して若い人材を発掘して育成するものです。

合格基準は身長170cm以上、50m8秒1以内で走るという高い身体能力が求められました。JFAアカデミー福島に入団後、年代別日本代表に招集されるようになります。2007年にAFC U-19女子選手権、2008年にはFIFA U-20女子ワールドカップに出場するなど、10代から着実に国際経験を積み上げてきました。

身長187cmという規格外の身体能力で注目を集める

山根恵里奈の代名詞は身長187cmという規格外の身体能力にあります。日本代表の佐々木則夫監督も早くからその才能に注目しており、2010年のチリ戦では弱冠19歳にしてA代表初キャップ初先発という快挙を達成しています。

それから3年後、なでしこリーグで成長を遂げた山根は2013年アルガルベカップでA代表に再び招集されました。世界トップレベルの国際大会で彼女がどこまでやれるのか?それを確かめる意味でも重要な位置づけとなる大会でした。

ハイボールに滅法強く、ゴールマウス全域をカバーする

187cm76kgという体格は世界的に見ても類を見ない巨漢です。身体能力を生かしたハイボールの処理は他の追随を許さない安定感があります。インプレー、セットプレーを問わず、ロングボールへの対応には絶対的な自信を持ちます。欧州の大型FWと競り合ってもボディバランスを崩すことはなく、通常ではパンチングで逃れるようなハイボールも難なくキャッチングできる高さがあります。

世界トップクラスのGKでも170~175cmの選手が多く、180cmを超えるGKはそう多くありません。女子サッカー特有のゴールシーンとして、20~30mのループシュートがGKの頭上を超えてゴールしたり、サイドからのクロスボールがGKを手を越えてサイドネットを揺らすケースがあります。ゴールマウス全域を高さでカバーできる山根は、この類のゴールを防げる特殊能力を持ちます。

課題はキャッチング精度と足元の技術

GKとして恵まれた体格を持つ山根ですが、A代表でレギュラーを勝ち取るには課題が山積しています。レギュラーの海掘あゆみ、福元美穂と比較した場合、セービング精度が劣ることは明らかです。力のないシュートを正面でハンブルしてピンチを招いたり、DFとの連携ミスで前に出るタイミングが遅れるなど、大きなポカを頻発するケースが見られます。

足元の技術にも不安を抱えており、DFからの単純なバックパスをトラップミスして相手FWに詰め寄られたり、10~15mのショートパスをミスキックして相手にボールを奪われてしまうなど、稚拙なミスが目立ちます。なでしこジャパンで正GKの座を奪うには技術面での向上が必須条件になるでしょう。

総括

佐々木監督は187cmという山根の身体能力を青田買いしている感があります。技術的に不安を残す山根をアルガルベ杯に招集したのは将来を見据えてのことでしょう。若いうちに多くの国際経験を積ませ、世界的なGKに育てようという意図が伝わります。80m近いゴールキックをワンステップで蹴るシーンを見ると、その潜在能力は計り知れないものを感じます。いつの日か、山根が正GKに君臨する日を楽しみにしています。

 【新生なでしこ・選手名鑑】 《アルガルベ杯》 全選手・リンク集
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