小豆島の名所のひとつに「二十四の瞳映画村」があります。昨年、僕が小豆島を訪れた際も立ち寄りました。昭和を再現したレトロな看板と街並みはどこか懐かしく、映画村から見える海も綺麗でした。
「二十四の瞳映画村」入口
今なお語り継がれる、不朽の名作
ただ、問題がひとつ。僕はこの映画村の原点とも言うべき、肝心の『二十四の瞳』を全く見たことが無かったのです。
とは言え、名前くらいは知っていました。調べてみると、
舞台は昭和三年。小豆島・岬の分教場に赴任した教師・大石久子は、洋服を着こなし、自転車で通うモダンな先生。それゆえに島の人々からは好奇のまなざしをむけられます。それでも、久子は愛くるしい12人の子供たちに真摯に向き合うことで、徐々に子供たちに慕われるように。様々な出来事と共に、子供たちとの絆は深まっていきます。しかし、訪れる子供たちと別れ、戦争の足音・・・。
1954年、1987年上映と比較的古い映画ではありますが、今なお語り継がれるだけに、不朽の名作だと伝わります。かつて僕が通っていた塾の先生が『二十四の瞳』の大ファンで、「受け持つ生徒はなるべく12人が良い」とか言っていたのを覚えています。上映から何年と経っても心に残り続ける名作なのでしょう。
映画「二十四の瞳」のポスター
そう言えば、映画村の施設内で本当に観光客の絶えない場所がありました。「せんせ、あそぼ」というタイトルで、コスモスの花畑の真ん中に13人の銅像。先生を囲む子供たちの楽しげなワンシーンでした。50~70代と思しきの年配の方が多く、かわるがわる記念撮影をしているのが印象的でした。
「あぁー、銅像見ただけで泣けてきそう。」なんて言っている人も。僕の想像以上に、見た人の心に刻みこむストーリーなのかもしれません。
「二十四の瞳」のワンシーンを切り取った銅像
良いものはきっといつの時代も良い
そのほか、みさきのしょうゆ屋「蔵」、佃煮の販売店「京宝亭」など小豆島で古くから親しまれている醤油を扱ったお店があります。「二十四の瞳」は大正~昭和初期の時代を描いたものですが、小豆島の醤油に至ってはそれよりもはるか長い400年の歴史だそう。 そしてまた、歩いているだけでも佃煮の香りが漂ってくるんです。花のように決して洒落た香りではないけれど、じんわり沁みる食欲をそそる香り。お店周りは年配の方々だけじゃなく、若い世代を含めた老若男女で賑わっていたのが印象的でした。
ただ、古くて懐かしいから良いのではなく、良いものはきっといつの時代も良いんでしょうね。そう思うと、映画を見ていないのがもったいなく思えてきました。映画を見て訪れると、肌で感じるものがまた違ってくる気がします。
佃煮屋さん「京宝亭」
◇施設情報◇
「二十四の瞳映画村」(公式HP)◆住 所・・・香川県小豆郡小豆島町田浦甲931
◆電話番号・・・0879-82-2455◆営業時間・・・9:00~17:00(11月は8:30~17:00)
◆入園料金・・・大人700円、子供(小学生以下)300円、岬の分教場は大人200円、子供100円 ※ 公式HPに割引券あり◆休 み・・・年中無休
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