感謝と畏敬、「心」をつなぐ神の島
信仰の深い沖縄の中でも、聖地として一種独特の雰囲気を持っているのが久高島。異界・ニライカナイへつながる聖地として知られています。 沖縄本島の南東に浮かぶ久高島。ほかの島々と比較すれば顕著なのですが、リゾート色の濃い施設やホテル、ツアーガイドは一切見当たりません。それどころか、生活に必要なスーパーや理髪店も無いようです。集落は南側にわずかに存在し、北側はいわゆる聖域であり、誰の持ち物でもない共有地(総有制という)。「神様からの預かりもの」という認識なのです。空気がどこかしんと張りつめたようなそんな雰囲気があり、思わず気が引き締まります。
印象的なのは、島の人々の聖地に対する感謝と畏敬の念。これは、久高島に関する動画などを探して頂ければもっとも分かりやすいかと思います。また、島の代表的な神事であり、12年に一度行われる「イザイホー」はあまりにも有名ですが、そのほかにも年間を通じて多くの行事が執り行われ、神に祈りを捧げているのです。 事実、聖域も多く、うかつに道を外れてあちらこちらと行くべきではありませんが、島内にはレンタサイクルや島内散策ガイドといったサービスがあります。その久高島独特の雰囲気に触れてみるのも良いかも知れません。きっとまた違った角度から、沖縄を知ることができるはずです。
久高島の見どころ
聖地に触れる
クボー御嶽 (場所)
古くより琉球王府や島民に守られてきた御嶽。非常に神聖な場所であると考えられており、男子禁制。近年は男女問わず立ち入り禁止になることもあるそうです。詳しいことはわかりませんが、モラルを守った行動が求められます。
ヤグルガー (場所)
澄んだ青と透明度が魅力の海が見える場所。ここに井戸があり、それがヤグルガーと呼ばれています。神事の際、神女(ノロ、根神、掟神)がこの井戸の水で身体を清めて赴く習わしがあるそうです。
イザイガー (場所)
島の西側にある泉。こちらも男子禁制で、12年に一度のイザイホーの際には30~41歳の女性が、ここで身を清めるそう。ただし、諸般の事情により、イザイホーは1978年より久しく行われておらず、その間に台風の被害を受け、イザイガーへの道は壊され、通行困難なようです。出来ることなら、復旧してほしいものですが・・・。
久高殿 (場所)
久高島の祖先と言われるシラタル(百名白樽)と、その娘であるタルガナー(多留加那)が久高のノロ(女司祭)として、天神地祇を祭り、島の作物豊穣と子孫繁栄を祈った場所。奥の森は聖域のため立ち入り禁止。
カベール御嶽、クバ林 (場所)
久高島の北部にある聖域。端にはカベールの浜という美しい浜があります。かつて琉球の始祖であるアマミキヨが降り立った地とされ、ここから人類の歴史が始まったという神話があるほど。どこか神聖な雰囲気を感じずにはいれません。道中は南国特有のクバ林も広がっています。そう言えば、クバ林もどこか神聖な雰囲気がありますね。
外間殿 (場所)
集落の中心近くにあり、久高殿(ウドゥンミャー)とともに、島の二大祭祀場として知られています。白樽夫婦が島の守護神として祭りを行っていました。今でも祭祀の際はよく使用される、島にとっては重要の場所です。
イラブーガマ (場所)
徳仁港の横にあり、イラブー(エラブウミヘビ)の漁場として知られるイラブーガマ。ガマとは洞窟のことを指し、この一帯には小さな穴がたくさんあります。このあたりは海がしばらく浅いため、透明度の高い海水と砂浜が広がるところが特徴。そのまま水平線まで海が続き、沈む太陽に溶け込む様子なんかはまさに最高です!しんとした雰囲気のなか、島の静けさを感じてみてはいかがでしょうか。
ウガン浜(ウチパーラ) (場所)
イセエビの宝庫として島民に知られていますが、上述のクボー御嶽の奥にあるため、基本的に立ち入り禁止。ヤグルガーからウガン浜を臨むことができます。
イシキ浜 (場所)
島の南東部にあり、琉球農業のルーツとなる伝説が伝えられている浜です。その昔、ニライカナイから五穀の種子が入った白い壺が流れ着いた場所と言われ、それを白樽夫婦が拾って種子を蒔いたことから琉球農業が始まったとか。この伝説のとおり、島の東側の海はニライカナイに繋がっていると考えられ、今でも祭祀の場としてウプヌシガナシー(健康祈願)の祭祀の時には、ここから祈りをささげます。島民にとっては重要な場所なのです。
施設を楽しむ
久高島簡易郵便局 (場所)
島と全国を繋ぐお馴染みの郵便局。郵便局としては歴史が浅く、2005年に建てられたもので、それまでは郵便局もなかったとか。200人前後の島民ですが、郵便局が使えない不便を思うと、簡易であれ大切な場所だとわかります。訪れた時は窓口からはがきを出してみてはいかがでしょうか。久高島の風景印を押せば離島感たっぷりです!ちなみにこの簡易郵便局、世にも珍しい「泊まりに行ける郵便局」だとか。島で生まれ育った局長さんが民宿としても経営されているそうで、島を活性化させるために一役買っているそうです。面白い!
久高島宿泊交流館 (場所)
NPO法人久高島振興会が管理・運営する、一般も宿泊できる交流施設。合宿など団体や大人数での宿泊も可能なため、修学旅行や団体旅行はこちらへ。
(公式HP)
久高島の情報あれこれ
【名 称】久高島(くだかじま)
【所在地】
(地図)
【面 積】1.37㎢
【周 囲】
8.0km
遊 び
海水浴、シュノーケリング、ダイビング、釣り、ウインドサーフィン、キャンプ
食べる
イラブー、海ぶどう、さつまいも、すいか、島らっきょう、黒糖、
郷土料理
イラブ―料理、ニガナ和え
変わりモノ
イザイホー(12年に一度行われる祭祀)、ニガナ和え(久高島独特の食文化)
お土産に
イラブー加工品(健康酢、燻製、粉末、レトルトパック)、イカの塩から、芋のムーチー(お餅のようなお菓子)、羊羹、小豆、うずら豆、ふしかぶ(切干大根)、んむくじ、久高島の塩、もずく、久高島の海水入りストラップ、ポストカード、オリジナルTシャツ
久高島へのアクセス
高速船を利用する
南城市・知念安座真港~(50分)~久高島・徳仁港
フェリーを利用する
南城市・知念安座真港~(1時間20分)~久高島・徳仁港久高海運合名会社(公式HP、時刻表)
南城市・知念安座真港までは【バス】、【自動車】
(島プロフ一覧)
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