煌びやかな自然、風格ある集落、久米島でしか見られません。
1993年(平成5年)、白瀬川の上流で大型のホタルが発見されました。それはいわゆる新種のゲンジボタル。その集団での明滅は煌びやかで、つい見とれてしまいます。その新種のホタルは、沖縄の島々でもその島でしか見られないことから「クメジマボタル」と名が付きました。
沖縄本島からおよそ80km西へ離れたところに久米島があります。かつては米の栽培で栄えた農業の島。沖縄県内では5番目に大きな島で、昔から活気がありました。しかし、このクメジマボタルが発見されたことで、注目度はさらに増したのです。島内にはクメジマボタルにまつわる名所や施設もあり、ホタルの季節(4~5月)は日中のみならず夜も賑やかな島となりました。
また、もう一つ人気なのがはての浜。360度海に囲まれたビーチです。一帯がかなり浅くなっており、ところどころ砂浜が顔を出すことで形成されています。ただでさえ透明度が高いうえ白砂の浅い浜が続くため、沖縄のどんなビーチよりも薄くて綺麗な青色をしているのが非常に印象的!波の凹凸が太陽にあたり、波が影と一緒にゆらめくのも、風景の美しさを引き立ててくれます。
そんな鮮やかな美しさが見どころの久米島。一方で逞しい自然も見逃せません。中でも男岩やミーフガーなど、祈りの対象になるほどの風格のある奇岩も、見る者を魅了するでしょう。同じく五枝の松や真謝地区のフクギ並木も必見です。
さらに風格と言えば、古くから残存する集落も見どころ。沖縄に現存する最古の民家「上江洲家」や、琉球時代の役所である旧仲里間切蔵元跡石牆などは、それぞれ国指定の重要文化財となっています。
久米島の見どころ
「旧具志川村」(久米島空港周辺)・・・久米島西部
「旧仲里村」(イーフビーチ周辺)・・・久米島東部絶景が良く見えるため、ドライブなどは時計回りでの観光が推奨されています。
景色を楽しむ
クメジマボタル
4~5月に久米島で見られる久米島固有のゲンジボタル。場所は五枝の松周辺の川沿い、カンジン地下ダム、具志川城跡周辺の川沿いで見られます。
はての浜 (場所)
久米島ファンを虜にする360度海に囲まれた砂浜。本当は3つの浜があり、手前から「メーヌ浜」、「ナカノ浜」、「はての浜」とするのが正しいようですが、総じて「はての浜」と呼ばれています。久米島からツアー船が出ています。
ガラサー山 (場所)
久米島港の向かいに見える小さな無人島・精川島。夕方になるとカラス(ガラサー)が集団で寝床にしたことから、この名が付いたと言われています。突き出した岩柱が印象的で、その姿から「男岩」とも呼ばれています。後述のミーフガーは女性的な奇岩。久米島は男女にちなんだシンボルを有しているのです。
ひとつの島にて男女にちなんだ景色がセットで見られる島として、他に北海道・奥尻島(モッ立岩、なべつる岩)が挙げられます。
シンリ浜 (場所)
久米島空港の近くにある白砂のビーチ。あまりにさらさらで「うっかり足がしんりる(すべる)」ことからこの名が付いたそう。リーフに囲まれており、磯遊びにも最適です!西側にあり、落陽を楽しむにも絶好のポイント。浜は3kmと広く、まばゆい西日の中を、長い影と共にとことこ歩くだけでも絵になるのではないでしょうか。家族やカップルで良い写真が撮れそうですね。
五枝の松 (場所)
久米島のシンボル的存在。18世紀初頭に植えられた、幹の周り4.3m、高さ6m、面積はなんと250㎡にも及ぶ樹齢およそ260年のリュウキュウマツです。これは沖縄二大名松として知られ、国の天然記念物にも指定されています(もうひとつは伊平屋島の念頭平松)。人間だと、何人もが木の下の範囲にすっぽりと収まりますのではないでしょうか。周辺は、多くの人が散歩がてらに訪れる整備された公園。この付近の川では季節になればクメジマボタルも見られます。逞しい木と綺麗な川に美しいホタル、久米島の自然の魅力がぎっしり詰まった公園なのです。
おばけ坂 (場所)
こちらも久米島の自然の不思議な魅力が詰まった人気スポット。この坂にボールや空き缶、ニュートラル状態の車など、何か転がるものを置いてみてください。何の仕業か、重力を無視して登り始める現象を目の当たりにするはずです。何で試しても同じ。果たして?決して怖い場所ではありません。
具志川城跡 (場所)
島の北側、東シナ海に面する絶壁の古城跡。国指定の史跡になっています。断崖の付け根にあたるところに城門があり、そこから下るようにして城がつくられていました。現在は城門と珊瑚性石灰岩の特殊な石積みが残されているだけですが、海が一望できる凝ったつくりの城だったと想像できます。しかし、「断崖絶壁に建つ城」というだけでかなり格好良いイメージがあります。アニメとかに出てきそう?
ミーフガー (場所)
裂いたように細長い穴のあいた奇岩です。このあたりは荒々しい波が立ち、なんとも豪快な景勝地なのですが、この奇岩はその形から女性のシンボル。昔から、子宝に恵まれない女性が拝むと御利益があると言われています。周辺はクメジマボタルの季節になるとテッポウユリが咲き誇り、ホタル同様に楽しめます。奇岩とは対照的に可憐なテッポウユリの見ごたえもなかなか。
タチジャミ (場所)
突き出るようにそびえ立つ、豪快な岩々が目立つ久米島。中でも、まるで板のように薄く高くそびえる屏風岩は一度見ておきたいところです。タチジャミとは漢字で書くところの「立神」の意。島全体が信仰の対象となってきた久米島らしい名前です。道中は280段の石段を下りて行かなければなりません。足場も悪いので、サンダルなどは避けた方が良いかも。
熱帯魚の家 (場所)
家とは言いますが、海岸沿いの岩場です。ですが、ただの岩場ではなく、やはり「熱帯魚の家」なのです。覗き込んでみると合点が行くでしょう。海岸の塩だまりとなっているところには熱帯魚がたくさん!潮だまりなので、水着に着替えることなく熱帯魚が楽しめるのです。それはまるで水族館の水槽のよう。チョウチョウウオやルリスズメなどが見られます。カメラを防水に出来るなら、水につけての撮影も良いかも知れませんね。
太陽石 (場所)
比屋定集落にある石。外周道路を進んでいると左手に集落が見えてきます。今から半世紀以上前、この定点から太陽の位置を見て、季節の移り変わりや農作業の時期を知っていたそうです。今はそこに石が置かれ、太陽石と呼ばれるようになりました。
比屋定バンタ (場所)
沖縄の変わった名前の男性・・・とか、そういう意味ではありません。バンタとは「崖っぷち」「絶壁」の意味。島の北東にある高台です。ここは海抜200mの高さを有する展望台になっており、遠方の沖縄本島から島のふもとまで見渡せます。集落と集落の間に位置する静かな場所ですが、自販機も売店もあり過ごしやすいことは間違いなし。高台に吹く海風を感じながら、休憩してみるのも良いかも知れません。
旧仲里間切蔵元跡石牆 (場所)
いわゆる琉球王府時代のお役所。難しい字ですが、石牆(せきしょう)とは石垣の意味があり、かつてここに石垣づくりの仲里村役場があったことを示しています。非常にどっしりとした石垣は分厚くて高く、なかなかの見ごたえがあります。
宇根の大ソテツ (場所)
九州の南部から沖縄あたりまで生息しているソテツですが、中でも宇根集落の喜久村家にある大きなものは高さが6m近く、「宇根の大ソテツ」と呼ばれて有名。樹齢が250~300年にも達し、その枝振りは見事としか言いようがありません。人間が背伸びや肩車をした程度ではとても及ばない高さなのです。素晴らしいのですが、その高さゆえに写真では凄みが伝わりにくいのが残念かも知れませんね。ぜひ生で見たいところ。
奥武島、オーハ島
イーフビーチ (場所)
西部のシンリ浜に対し、久米島の東部を代表する白砂のビーチです。遠浅で透明度が抜群!いかにも南の島と言えそうな海景色が最高です。海水浴やマリンスポーツを楽しむ人が多く、家族や友人とわいわい過ごすのに向いています。ただし遠浅ゆえに干潮時は注意が必要。潮見表にて時間を確認してから向かいましょう。
施設を楽しむ
久米島ホタル館 (場所)
久米島交番の近く、赤い屋根のかわいい建物が久米島ホタル館です。島に住む天然記念物のクメジマボタルを中心に、ホタルの展示を見ることができます。せっかく訪れた久米島ですから、ホタルについては知って帰りたいところ。ホタルの季節なら事前学習にも。
久米島野球場 (場所)
久米島にある野球場。プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスのキャンプ地として知られ、2月上~中旬は沖縄を巡る野球ファンで賑わいます。元々はスタンドなどの設備も脆弱な地方球場でしたが、楽天が使用するにあたり大幅に改修。立派なスタジアムとなりました。2月に島を訪れたなら、この活気を味わうだけでも訪れる価値ありです!
久米島紬ユイマール館 (場所)
独特の柄が美しい久米島紬のすべてがわかるユイマール館。琉球王国時代は日本とアジアの間に挟まれて貿易を行っていた沖縄ですが、主に中国との貿易がメインとなり、技術や工芸品の行き交いがさかんとなっていました。琉球王府の政策もあり、琉球国内で工芸品の生産も強化されていったと言います。久米島紬はそんな環境下で高級品として知られ、その価値を高め続けてきました。ユイマール館は資料展示から作業場、体験交流施設まで充実しています。帰る前には売店でのおみやげも忘れずに。
(公式HP)
久米島自然文化センター (場所)
久米島の自然や歴史、民俗などを紹介した施設。同じ沖縄であっても、島ごとに個性が築かれていくのが印象的です。特にホタルや巨木など、自然の魅力が多い久米島ですので、島を訪れたら最初に行って損はないはずです。
(公式HP)
久米島の情報あれこれ
【名 称】
久米島(くめじま)
【所在地】
(地図)
【面 積】58.94㎢
【周 囲】
47.6km
遊 び
海水浴、シュノーケリング、ダイビング、釣り、磯遊びキャンプ、散策、ハテの浜ツアー、海ボタルツアー、ホタル観賞
食べる
パパイヤ、マンゴー、パイナップル、島バナナ、島らっきょう、ゴーヤー、地鶏、トウガン、天然塩、もずく
郷土料理
久米島みそ、島かまぼこ、魚汁、ヤギ汁(他の島々と違い、長命草サクナが入っている)、久米島そば(沖縄そば)、イカの塩から、イカじゅーしー(イカスミ入り炊き込みご飯)、沖縄料理
変わりモノ
オトーリ
お土産に
泡盛(「久米島」「久米仙」など)、名水「亜嘉の水」、海洋深層水・塩、久米島みそ、久米島みそ加工品(クッキーなど)、マンゴー、もずく
マスコット
2012年10月現在、キャラクター案募集中とのこと(久米島観光協会)
う た
漲水のクイチャー、なりやまあやぐ、とーがにあやぐ、我んたが島、なますのぐう、宮国のアンガマ、オトーリソング
久米島へのアクセス
飛行機を利用する
那覇空港より
那覇空港~(35分)~久米島空港那覇空港へは、全国各空路から
(羽田空港のみ、夏季シーズンに直行便運航の実績あり)
船を利用する
那覇港(泊港)~(2時間50分)~久米島・兼城港※渡名喜島経由便あり。3時間10分所要
那覇港(泊港)までは【空路】、【フェリー】、【バス】
久米商船(公式HP、時刻表)
(島プロフ一覧)
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