舳倉島 - 野鳥は高く飛び、海女さんは深く潜る島(石川)

shima

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昔ながらの雰囲気を感じ、海の幸を堪能せよ

 およそ全くと言って良いほど、観光地化とは無縁の舳倉島です。能登半島の先端付近、輪島港から船で1時間30分。お隣の離島・佐渡島をおにぎりぐらいの大きさだとすると、舳倉島は米粒ほどの大きさでしょうか。地図をパッと見た程度では探すまでに時間が掛かってしまいます。 舳倉島は海女漁とバードウォッチングが有名。遺跡が発見されており、古くて5世紀ごろから人々の生活が営まれていたと推測されています。その一方で、アクセスの不便さからなかなか定住者が増えず、年中島で過ごす人は100人程度。夏場のみ海女漁のために女性たちが訪れ、人口が多少増えるようです。

 観光としてはバードウォッチングのメッカとして、ファンからは人気の島ですが、民宿も2件しかないため、大勢の観光客で賑わうようなことはありません。それだけに、昔ながらの風景を肌で感じ、静かな場所でのんびりと過ごしたい人にオススメしたい島でもあります。 また、海女漁に代表されるように海の幸が豊富!民宿での食事は、アワビやサザエなど、季節の海産物に期待しても良さそうです。また、魚が少なく水質が綺麗なことから、舳倉島の塩が密かに大人気。イタリア料理界の一流シェフ・奥田政行氏は、実際に島に訪れてその味を絶賛したほど!!

 観光地化はされていないけど、いやいや。見逃せない魅力が隠れているのです。

舳倉島の見どころ

舳倉島ならでは

渡り鳥

渡り鳥たちが休息地として好む。これが、日本海側に浮かぶ数少ない島々の特徴です。舳倉島も例外ではなく、本州ではなかなか見ることのできない渡り鳥や野鳥が多く訪れます。その数は、確認されているだけでも300種超。舳倉島は昔から定住者が少なく、あまり観光地化の進んでいない島ではありますが、それでもバードウォッチャーたちからは根強い人気を誇っているのです。

海女漁

400年以上の伝統を持ち、今なお島の主要産業。アワビやサザエが豊富に獲れるため、6月からおよそ3か月間、島の女性たちは潜り続けます。昔ながらの海女漁の風景が見れるかもしれません。潜る深さは水深20m以上にも及ぶそう。筆者も素潜りは人並み以上に潜れる自信がありますが、それでもせいぜい15m程度。肺活量と耳抜きの技術を兼ねていなければ、20m以上潜ることはまず出来ないでしょう。歴史が古いこともあり、昭和の半ばまでは上半身は裸で潜っていたとか。それが当たり前で恥じらうことも無かったそうな。・・・・・。現在はウェットスーツを導入するなどしていますが、それでも島民は少なく、現役の海女さんも高齢化が進むなど、後継者の問題もあるようです(そういう意味ではウェットスーツを着るようになって、まだ良かったのかも)。

水上運動会

基本的には静かで穏やかな島ですが、年に一度、7月20日(現在は海の日?)に行われる島の一大行事が水上運動会で す。漁港内を会場に、たらいこぎ競争や玉入れ、競泳、発泡スチロールの飛び渡りなど、ユニークな競技が盛りだくさんで白熱します。島外からも多くの参加者 が訪れ、島の1年で一番の盛り上がりを見せるほどですが、どうやら近年は開催されていないご様子・・・。人口減少など色々あるんでしょうか。戦前からの伝統行事だけに、続いてほしいものです。

景色を楽しむ

竜神池・観音堂 (場所)

いかにも離島らしい伝説が残っています。藩政末期に島にやってきた一旭上人(いっきしょうにん)という僧侶。彼は毎晩観音堂に島民を集めて説教をしていました。彼の眼に留まったのは、その説教を常にじっと聴き入る一人の若い女です。ある日の晩、彼が女に話を聞くと「私はこの池に棲む竜なのです。難破船の錨の毒にあたって死んだのですが、未だに成仏できずにいます。どうか助けて下さい。」と涙を流して頼んだのでした。そこで翌朝、島民が池の水をくみ上げたところ、池の底から見つかった大小二体の骨。実に樽4杯分にも及んだそうです。

この母子の竜骨は法蔵寺分院に葬られ、島の人々は、父親の竜が今もなお近くの海に生息していると考え、神として祭っています。 

ケルン群 (場所)

真意がいまだにはっきりとわかっていない、謎の古代遺跡がこのケルンです。ケルンとは、本来山などで登山者が道しるべとして残しておく石積みのことですが、舳倉島のそれはそういう理由ではないと思われるため、ちょいと奇妙です。島にもケルンにまつわる言い伝えがいくつか残っているそうですが、どれも積み上げられた理由には、はっきりとは触れていないようです。推察される説としては前述の「竜神様の供養」、「訪れる船の目印として」、「海女がよく獲れる漁場の目印に積んだ」など。どれもそれっぽいようで決め手には欠けます。とは言え、海女漁だけでも400年以上の歴史がある舳倉島です。長い歴史の中で何か意図があってのケルン群だと思われます。不思議な石積みに、島の歴史を重ねてみるのも趣深いですね・・・。

へぐら愛らんど(舳倉島簡易水道高架配水塔) (場所)

標高の低い舳倉島にあって、もっとも背の高い展望台。島の配水搭として機能すると共に、舳倉島や日本海を一望できます。5階建てで、各階には観光客向けの展示スペースが設けられ、島や輪島の名所や魅力、伝統芸能などがパネルにて紹介されています。 

シラスナ遺跡 (場所)

奈良、平安時代の遺跡が出土し、古くから人々の生活が営まれてきたことが確認された遺跡です。牛やアシカなどの骨も大量に見つかり、かつてはアシカ猟も行われていたと考えられています。おそらく古代の日本海の往来において重要地点だった舳倉島。今は静かな絶海の孤島ですが、かつて賑やかだった時代のようすを写し出しています。 8世紀ごろの奈良時代、平安時代の遺跡が出土し、奈良時代の 貝塚も残っているようです。アシカや牛の骨も大量に出土しています。アシカの骨が出土するのは、 ここで昔明治初年までアシカ猟が行われていたからのようです。大量に出土した牛の骨ですが、畜神を祓う殺牛祭神儀式が奈良時代の舳倉島で行われていたことを示唆しているとも言われています。 

舳倉島の情報あれこれ

【名 称】

舳倉島(へぐらじま)

【所在地】石川県輪島市(地図)

【面 積】

0.55㎢

【周 囲】5.1km

遊 び

釣り、バードウォッチング

食べる

アワビ、サザエ、ワカメ

郷土料理

トビウオの煮干し、アワビづくし

お土産に

じわもんおかき(海女採りわかめ)、旨味塩「宝の海」、「島の宝もの」、わかめ、めかぶ※ただし島内に商店は有りません。

う た

舳倉小唄

島内のルール

キャンプ不可、島内に商店は無いので昼食は持参か民宿に予約

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