いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本女子サッカー五輪代表、宇津木瑠美選手をクローズアップしてみたいと思います。
世界最高クラスの守備力で最終ラインを統率
センターバックとしてレギュラーの一角を担う岩清水選手。ディフェンスの要となる位置にポジションを取り、最終ラインを統率する守備陣のリーダーです。162cmとディフェンダーとしては小柄ですが、大型フォワードとの競り合いにも負けないフィジカルの強さを持ち、上手さと速さを備えた一対一のディフェンスが持ち味で、スピードを武器にする欧米の選手とマッチアップしても振り切られることはありません。
スイーパーとして最後尾から味方に指示を与え、バイタルエリアで数的優位を作られないようにディフェンスラインを統率します。攻撃を読む力に長けており、相手の素早いカウンターに対しても巧みなポジショニングで攻撃のスピードを遅らせ、シュートコースを切りながらプレッシャーを与えます。また、ゴール前で人数をかけられてもボールウォッチャーになってマークを外すようなことはありません。鋭い出足から相手のパスをインターセプトし、正確なフィードでカウンターをしかけるなど、攻撃の起点にもなります。
優れたラインコントロールで、日本のパスサッカーを展開
強豪国を相手にしても一歩も引かない強気なラインコントロールが身上。押し込まれた状況でも勇気を持ってディフェンスラインを押し上げます。ショートパスを多用する日本のパスサッカーにおいて、コンパクトな陣形を保つことは不可欠であり、約30mという狭いエリアにフィールドプレーヤーを配置する必要があります。
人と人との距離が近いことで連携が強化され、日本が得意とするパスサッカーを展開できるのです。また、中盤がコンパクトになることによって、狭いゾーンで守備の人数をかけることができ、激しいプレスをかけてボールを奪い取ることができます。このような日本の長所を引き出せるのも、岩清水選手の優れたラインコントロールによるところが大きいと言えます。
代えが利かないセンターバック
2012年、アルガルベカップでは岩清水選手の代役として、田中明日菜選手や矢野喬子選手がテストされました。結果は思わしいものではなく、アメリカ戦ではスピードのあるモーガン選手に一対一で簡単に振り切られたり、高さのあるワンバック選手をフリーにさせて失点を喫するなど、多くの課題を露呈させました。
スピードとマークの強さに加え、カバーリングにも優れた岩清水選手の存在が、いかに大きなものであるか思い知らされた試合です。目の前のフォワードを抑えるだけでなく、守備陣を統率できるスイーパータイプのバックアップ選手がいないのです。今後、岩清水選手の穴を埋める選手の発掘は大きな課題となるでしょう。
総括
ロンドンオリンピックでも不動のセンターバックとして、ディフェンスの要となる存在だと思います。ドイツワールドカップ決勝のアメリカ戦の延長後半ロスタイム、モーガン選手の決定的なドリブル突破をスライディングタックルで止めて退場になった岩清水選手。警告退場をも恐れない気迫のあるディフェンスをロンドンでも期待します!
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