(今日の新聞記事からのまとめです)
◇判決には事実誤認がある
民主党元代表の小沢一郎氏の党員資格停止処分の解除は5月8日の民主党常任幹事会で決定されたが、裁判で検察官役を務める指定弁護士側は9日、「判決には看過しがたい事実誤認がある」として、東京高裁に控訴した。
これにより、小沢被告の無罪は確定せず、高裁での高裁で審理が続くことになった。
◇指定弁護人ってなに?
陸山会事件では検察が不起訴としたため、検察審査会の2度の議決を経て小沢氏は強制起訴されていた。強制起訴の場合は、裁判所が指定する弁護士が検察官として代わりに起訴し、公判でも検察官役を務めることになる。(検察が不起訴とした以上、検察官が起訴することは矛盾するから)
そのため、陸山会事件の裁判では「指定弁護士=検察官」。しかし、検察官役を務めるとは言え、「100人の真犯人を逃しても1人の無辜(むこ)(無罪の人間)を罰するなかれ」を信条とする弁護士だから、控訴の決断には相当の苦悩があったようだ。
◇被告を守るのが弁護士の仕事なのに…
大室俊三弁護士、山本健一弁護士、村本道夫弁護士の3人は、9日午後、東京・霞が関の司法記者クラブでの会見で苦しい胸の内を表明した。
5月10日の産経新聞は、山本弁護士の言葉として、次のように伝えた。
「単に判決がおかしいから控訴する、とは考えなかった。むやみに被告の立場を長引かせるわけにはいかないと、今朝までずっと悩んでいた」
◇名前も顔も分かっている人間が注目の判断をするということ
3人の指定弁護士の元へは、控訴費用のカンパの申し出があった一方、脅迫文が送りつけられたことも明かされた。それでも記者会見で「政治的圧力はなかったと思う」と語った言葉には、信念が感じられた。
公判の行方に注目したい。
参考記事■小沢氏無罪は「事実誤認」(産経新聞 2012年5月10日)参考記事■控訴、指定弁護士独特の重圧(産経新聞 2012年5月10日)
参考記事■控訴、法務・検察当局の反応(産経新聞 2012年5月10日)参考記事■控訴、政治家追及の高い壁(産経新聞 2012年5月10日)
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