【今週の一冊】バンクシー 壊れかけた世界に愛を_吉荒 夕記

Vermeer

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政治的なメッセージを含んだ作品を発表するバンクシーについて書かれた本です。

この本を読むと、社会の本質を暴露するような活動に驚かされます。

例えばディスマランド(Dismaland)。

Dismalandバンクシーが監修した、イギリスの期間限定テーマパーク「Dismaland(ディズマランド)」の公式動画

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ディスマル(Dismal)とは陰鬱なという意味で、有名な某テーマパークとは正反対の遊園地なのだそうです。

廃墟のシンデレラ城に入るとかぼちゃの馬車がひっくり返り、シンデレラが窓から飛び出ていて、その背後にカメラのフラッシュ・・・。

ダイアナ妃を彷彿とさせる場面です。

出口では入り口で笑顔でとった写真が、シンデレラの事故現場に合成されているそう・・・。

まさに、テレビでダイアナ妃のニュースを見ている自分たちを風刺しているアトラクションです。

事故のニュースを見て笑っていることなんてないとは思うけれど、私たちの知りたい欲求がパパラッチの過激な追っかけを招いているのかもしれない。

パパラッチだけの問題ではない。

私たちの欲求について考える必要を問いかけているように私には感じます。

バンクシーのすごいところは、作品がシンプルでユーモアがあるところだと思います。

一見クスッと笑ってしまうような、でも笑えない事実が隠されていて、見ている人に考えさせてしまう。

バンクシーの作品集をじっくり見たくなりました。

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