三島南高校。もかしたら中部地区、西部地区の高校ではそんなに有名ではないのかもしれません。三島南は昨年夏の静岡県大会決勝で静高と熱戦を繰り広げた飛龍を東部大会の初戦で破りました。勢いは止まらず東部大会は3位。堂々たる成績で県大会に乗り込んできました。
迎えた県大会初戦の相手は静商を破った聖隷クリストファー。逆転勝ちで50年ぶりの夏のシードを決めました。夏のシードは50年ぶりです。50年ぶりなんですね...前回のシード獲得はわたしが生まれる前です^^;ここ数年、南高の戦いぶりをずっと観てきましたが、とても50年もシードを獲れなかった学校とは思えません。
実は三島南にとって、今回対戦する静高はリベンジのチャンスの舞台でもあるんです。それはと言うと...三島南は昨年夏の大会も準々決勝まで進出しました。そのときの対戦相手が王者静高でした。この試合は高校野球ファンなら記憶に新しいところだと思います。静高に『王者』を見せつけられた試合でした。満塁ホームランを含め3本のホームラン、そして20本のヒットを打たれ3-20という試合でした。
それでも絶対王者からタイムリーヒット3本で奪った3点は見事でした。このころの静高から1点を取ることの難しさは相当だったと思います。
スコアだけ見るとただただ惨敗の試合ですが南高らしさもしっかり出ていた試合です。
夏が終わり新チームになった三島南は、そしてわたしが見る限り秋の大会の戦いぶりを見ても正直なところ、強いという印象はありませんでした。
迎えた春の東部大会。初戦の相手は東部の強豪校飛龍高校。あっさり負けてしまうこともあるのではと思いながら観戦していました。ところがこの試合、飛龍にもミスが多かったとはいえ、そこをこれでもかとばかりに突く三島南はさすがでした。
三島南 100 005 200 | 8
飛龍 012 010 010 | 5
快進撃はまちがいなく稲木監督の采配
三島南を率いる稲木監督は36歳、若い監督です。2013年の夏の大会後に監督になって2年目の夏に準々決勝進出。早くも結果を出しました。
実はわたしはこの稲木監督こそが三島南の快進撃の理由だと思っています。
三島南の試合をみるたびに驚くのが、この稲木監督の采配です。正直なところ、最初はこんな試合をしていては勝てないよと何度も思いました。えっ!ここでエンドラン?ここで盗塁?ここでダブルスチール?、ここでツーランスクイズ?、ここで送りバント?。。。正直に言うとわたしの野球人生の中では考えられないことばかりでした。しかしそれがことごとく成功しているんです。
考えてみれば、セオリーというものは誰もが考えるからセオリーなんですよね。逆に稲木監督のような誰も考えないことをやるからこそが奇襲なんでしょう。セオリーを無視した奇襲は成功してこそ奇襲。失敗すれば『なにやってんだ!』と叩かれます。それでもやり続ける稲木監督、すごいです。もしかしたら将来『名将』と呼ばれるかもしれません。水島新司先生のマンガに出てきてもおかしくないくらい楽しませてくれる采配です。
次戦は今日、王者静高
次の相手は王者静高。静高の強さは三島南が一番知っているのかもしれません。
わたし自身、未だに三島南がどれほど強いのか量りきれていませんが...
『らしさ』が出なければ、惨敗もある中、
『らしさ』が出たときに、もしかしたらがあるかもしれません。
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