大槌町の高台に立つ希望の灯り

iRyota25

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この場所からは大槌の町を一望できる。「ひょっこりひょうたん島」こと蓬莱島も見渡せる。大槌町の希望の灯りはこの高台に灯されている。

大槌町に希望の灯りが届けられたのは震災から1年8カ月となる2012年11月11日。震災直後から大槌町を支援してきた敦賀みなとライオンズクラブ(福井県)の働きかけによって、神戸市の東遊園地に灯されている「1.17 希望の灯り」が分灯された。

大槌町に先立って分灯されていた陸前高田市の希望の灯りと、南相馬市の希望の灯りからも分灯され、点灯式には4つの被災地から約50人が集まったという。

当時の河北新報はその様子を印象的に記した。

四つの被災地の「希望」が一つの灯りとなってともされた。

河北新報 2012年11月13日

灯りのそばに設置された金属製のパネルには、神戸に灯る「1.17 希望の灯り」、南相馬に灯る「3.11 希望の灯り」、陸前高田に灯る「3.11 希望の灯り」の写真とともに次の言葉が記されている。

この「希望の灯り」は
2011年3月11日午後2時46分に発生した
東日本大震災で被災された方々に
少しでも希望を持っていただきたいとの思いから
国内外からのご寄付をもとに
被災地のみなさんとボランティアが協力して建立しました。

ここに灯る火は、1995年1月17日午前5時46分に発生した
阪神淡路大震災で被災した方々をはげまそうと
全国47都道府県から種火が集められ
2000年の1月17日、神戸市の東遊園地に
「1.17 希望の灯り」として点灯された火を分灯したものです。

震災が教えてくれた
やさしさ、思いやり、仲間、絆の大切さを忘れることなく
ともに歩んでいきましょう。

2012年11月11日建立

大槌「希望の灯り」の碑文より

希望の灯りから見渡す大槌の町の姿には、胸に迫るものがある。かつての町の姿を知る人たちにとっては、多くの感情が去来する場所であるに違いない。点灯式の様子を伝えた河北新報の記事にはこんなくだりもある。

(大槌町の)碇川町長は「被災した町民が苦しくなった時に訪れ、希望を抱ける場所になれば」と話した。

河北新報 2012年11月13日

大槌の町では「ひょっこりひょうたん島」の音楽が正午の時報として流される。

苦しいことも あるだろさ
悲しいことも あるだろさ
だけどぼくらは くじけない
泣くのはいやだ 笑っちゃおう
進め ひょこりひょうたん島

「ひょっこりひょうたん島」作詞:井上ひさし

大槌町では先の震災で1,279人もが犠牲になったという。希望の灯りにひょうたん島のイラストが刻まれている意味をあらためて思う。

大槌「希望の灯り」

大槌町に灯された希望の灯りは、土砂災害の翌2015年に広島市に分灯された。現在、希望の灯りは神戸、陸前高田、南相馬、大槌、川崎(宮城県)、小千谷(新潟県)、そして広島の全国7カ所で灯されているという。

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