11月11日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
2号機タービン建屋内で漏洩検知器発報。ポリエチレン配管から高濃度滞留水が漏洩の続報。水漏れは4本の配管のうちの1本
水溜まりが確認された箇所の上部に敷設された4本の滞留水移送配管について、ろ過水による漏えい試験を実施したところ、そのうちの1本の配管(以下、「当該配管」という。)から水の漏えいを確認した。
当該配管については、11月6日にお知らせした、塩化ビニール製シート内に水が溜まっていた3本の滞留水移送配管とは別の配管であった。
また、当該配管について、漏えい箇所近傍にある配管貫通部のシールプレートやコーキング材を剥がして目視確認したところ、配管に親指程度のへこみがあること、へこみの表面に亀裂があることを確認した。
当該配管については、今後準備ができ次第、配管の交換を行うとともに亀裂が発生した原因を調査する。
なお、当該配管以外の3本からは漏えいは確認されておらず、滞留水移送配管の塩化ビニール製シート内に水が溜まっていた原因としては、当該配管から漏れた水が配管表面を伝い、当該配管の下側に敷設※2されている3本の滞留水移送配管に巻き付けてある塩化ビニール製シート内に入り込んだものと推定。
漏えいの発生に伴い各建屋滞留水の移送を停止しているが、当該配管を隔離して、建屋滞留水の移送を実施できることが確認できたため、11月11日午後より各建屋の滞留水移送を順次再開する予定。
※2 4本の滞留水移送配管については、漏えい箇所近傍の配管貫通部では水平に並んで敷設されているが、その後に各配管が立ち下がり、上下方向に並んで敷設されており、当該配管はこの最上段に敷設された状態。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的※に移送実施中
※2015年11月5日に発生した2号機タービン建屋における滞留水移送設備からの漏えいにより、2号機タービン建屋からの滞留水移送を停止中。
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的※に移送実施中
※2015年11月5日に発生した2号機タービン建屋における滞留水移送設備からの漏えいにより、3号機タービン建屋からの滞留水移送を停止中。
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
◎日報に新規事項の記載なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
その他の項目に新規事項の記載なし
・セシウム吸着装置停止中
・RO淡水化装置停止中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
※ 高性能多核種除去設備は、H8タンクエリアのストロンチウム処理水の処理を実施していたが、11月2日の同設備建屋内での水漏れにより処理を停止。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月31日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(10月29日採取分)
地下水バイパス 通算89回目の海洋排水を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日10月29日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、(既出)
11月11日午前9時55分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 揚水井分析結果(11月9日採取分)
揚水井No.10のトリチウム濃度は1,900Bq/L
揚水井No.8はポンプ点検により採取中止
地下水バイパス揚水井No.10 分析結果(11月5日採取分)
トリチウム濃度は東京電力の分析で2,000Bq/L
第三者機関(日本分析センター)の分析では2,100Bq/L
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月10日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/2 11/3 11/4 11/5 11/6 11/7 11/8 11/9
E-1 3,100 1,900 2,800 4,300 3,100 3,700 3,700 3,300
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 18.5 0.0 0.5 7.5 8.5
最終更新: