12月18日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
高性能多核種除去設備のベント配管から漏洩の続報。対策のためオリフィス(流量制限器)を設置して処理運転再開
※11月25日午前11時38分頃、高性能多核種除去設備において、ろ過水による当該設備の洗浄を実施していたところ、高所にあるベント配管(空気抜き配管)より洗浄水が滴下していることを、協力企業作業員が発見。また、現在漏えいは停止している。
滴下した水は床面約1m×1mの範囲に飛散したもの。漏えいは、当該設備建屋の堰内に収まっており、外部への流出はない。滴下した水については、11月25日午後0時10分頃に拭き取りを完了。(既出)
その後、12月18日午後0時45分、当該設備の処理運転を再開し、運転状態に異常のないことを確認。なお、水の滴下が発生した推定原因と対策は以下のとおり。
【推定原因】
ろ過水を用いた吸着塔の洗浄中、系統内に空気が滞留していたため、洗浄後のドレン水の流れが不安定となりベント配管(空気抜き配管)に瞬時的に逆流したことにより、水の滴下が発生したものと推定。
【対策】
系統内の不安定な空気の流れによるベント配管への逆流を防止するため、系統内の急激な流れを抑制するオリフィス(流量制限器)を設置するとともに、弁の急激な操作を禁止する旨を操作手順書に反映し、さらに現場に注意喚起表示を行う。同操作において水の滴下が発生しないことを確認。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの当社および第三者機関による分析結果[採取日12月10日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(12月6日採取分)
サブドレン・地下水ドレン 加重平均サンプルの分析結果(2015年度第2四半期)
2015年度第2四半期のサブドレン・地下水ドレン浄化水の排水について、告示濃度限度に対する比の和が実施計画に定める値※1を下回ることを確認しました。
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月17日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/9 12/10 12/11 12/12 12/13 12/14 12/15 12/16
E-1 1,700 2,300 ※ 1,300 2,000 2,700 2,600 2,500
浪江雨量(mm)0.0 0.0 31.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
※ 悪天候により採取中止
H4エリア周辺地下水【E-9】の全ベータは1,700Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/9 12/10 12/11 12/12 12/13 12/14 12/15 12/16
G-1 320 350 ※ 290 780 350 1,100 360
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 31.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/9 12/10 12/11 12/12 12/13 12/14 12/15 12/16
G-2 500 640 ※ 2,900 4,600 6,500 670 580
浪江雨量(mm)0.0 0.0 31.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
※ 悪天候により採取中止
最終更新: