11月25日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
11月2日に続き、またも高性能多核種除去設備のベント配管から漏洩
※本日(11月25日)、午前11時38分頃、高性能多核種除去設備において、ろ過水による当該設備の洗浄を実施していたところ、高所にあるベント配管(空気抜き配管)より洗浄水が滴下していることを、協力企業作業員が発見。
また、現在漏えいは停止している。
滴下した水は床面約1m×1mの範囲に飛散したもの。
漏えいは、高性能多核種除去設備建屋の堰内に収まっており、外部への流出はない。
滴下した水については、同日午後0時10分頃に拭き取りを完了。
【注目点】11月2日に漏洩が発生した後に、またも発生した高性能多核種除去設備での漏洩。「高所にあるベント配管」という記載から、前回と同様のトラブルが発生した可能性もある。前回トラブルの主な原因は弁を開閉するシャフトが空回りして、弁が閉じたままだったからとの推定だった。また11月12日に発表された対策では、ベント配管を閉止して運転を再開するとのことだった。いったい何が起きているのか、詳しい説明を待ちたい。
高性能容器(HIC)からの水漏れ点検の続報。セシウム吸着塔一時保管施設第三施設では262基中2基でたまり水
※セシウム吸着塔一時保管施設第二施設に保管されているHICについて、9月14日より3巡目の点検を実施していたが、11月16日に685基全ての点検を実施した。その中で新たに吸水ブロックに水が染み込んでいるHICは確認されなかった。
また、セシウム吸着塔一時保管施設第三施設に保管されているHICについては、11月19日時点で262基の点検を実施したが、その中で新たに1基のHICにおいて、吸水ブロックに水が染み込んでいたことを確認。これにより計2基のHICから、たまり水が確認された。
引き続き原因調査を行うとともにHICの点検を実施する。
2号機原子炉格納容器ガス管理設備を停止して配管を鋼管化する作業を終了。停止期間における関連監視パラメータに異常なし
※2号機原子炉格納容器ガス管理設備におけるフレキシブルチューブ及び樹脂製ホースの鋼管化作業について、本日午前10時04分より特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子炉施設の保安」(以下、「実施計画」という)第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用し作業を実施していたが、作業が終了したことから午後2時50分に当該設備を起動した。
その後、当該設備の動作確認において異常が無いこと、及び短半減期核種の指示値に有意な変動がないことから、午後5時55分に実施計画第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)の適用を解除。
なお、当該設備の停止期間における関連監視パラメータについては、異常無いことを確認。
【注目点】同様の作業は11月2日から3日にかけても行われ、3日に終了と発表されていたが、改めて作業が再開されたということらしい。今後も同様に、散発的に作業が実施されるのかどうかは不明。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAから海洋排水を実施。排出量は758トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月14日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、11月24日午前10時22分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時38分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、11月24日午後3時41分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は758m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月16日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(11月14日採取分)
地下水バイパス 揚水井分析結果(11月23日サンプル採取)揚水井No.10のトリチウムは前回と比べてやや低下したものの、依然として高いレベル
◎日報に新規事項の記載なし
地下水バイパス揚水井No.10分析結果(11月19日サンプル採取)は第三者機関の分析でもトリチウムが3,100Bq/Lで過去最高値
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月24日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
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