6月20日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
淡水化処理RO膜装置で高濃度汚染水がまた漏洩。全ベータは24,000ベクレル。原因はバルブ締め切りという単純ミスか?
※6月20日午前9時頃、発電所構内の雨水処理設備(淡水化処理RO膜装置)において、機器異常を知らせる警報が発生し、協力企業作業員が現場確認を実施したところ、同日午前9時30分頃、同装置の配管取り合い部から水が漏えいしていることを確認。
同装置を停止したことから、漏えいは止まっている。 漏えいした水については、同装置下部に設置されている受け皿(鉄製)内に留まっていることから、外部への影響はない。
漏えいした水は回収を行い、漏えい量は約20L。
今回の漏えいは、当該装置にて雨水を淡水化処理する過程で発生。淡水化処理RO膜装置で処理する水は、当該装置で濃縮した水に、至近のタンク堰内の雨水を処理するために追加したもの。
当該の水の至近の分析結果(採取日:6月19日)は、
セシウム134が検出限界値未満(検出限界値:10Bq/L)、セシウム137が検出限界値未満(検出限界値:17Bq/L)、全ベータが24,000Bq/L。
漏えいに至った原因は、当該装置B系を起動したところ、A系の装置の配管取り合い部から漏えいしたもので、当該装置からの移送時に本来開いているはずのA・B系共通の弁が閉まっていたため、締め切り運転状態となり、系統内の圧力が上昇し、配管取り合い部からの漏えいに至ったものと推定。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月19日午前10時40分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月19日午前11時24分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・ 共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス 揚水井No.4~No.8、No.2、No.10、No.12のデータは発表なし。発表されたNo.9ではトリチウムが過去最高値!
12基の井戸のうちデータが発表されたのは4本のみ。
<過去最高値>地下水揚水井No.9
トリチウム(H-3):200Bq/L(2015年6月18日採取)
これまでの最高値:180Bq/L(2015年5月28日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月19日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
新規事項なし
関連データ(東京電力以外のサイト)
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