東京電力は2015年8月31日付の報道配布資料で、サブドレン他水処理施設の特設ページの開設を発表した。特設ページは「廃炉プロジェクト」のページ内に設置された「汚染水対策の主な取り組み」として、地下水バイパスや海側配管トレンチの対策ページと同様に配置されている。
「汚染水対策の主な取り組み」ページ
これまで進められてきた地下水バイパス、海側遮水壁、陸側遮水壁、海水配管トレンチへの対応と、今後新たに計画されているサブドレンと地下水ドレン、つまり「サブドレン他水処理施設」による海洋排水計画のインデックスになっている。
「サブドレン・地下水ドレンによる 地下水のくみ上げ(計画)」のページ
現状では「サブドレン」「地下水ドレン」とも同じページにリンクされていて、計画の概要が説明されている。
概念図の下に細かい文字で「※関係省庁や漁業関係者さま等のご理解なしには行いません。」と記されている。(下線は筆者)
イラストを多用した概要説明を読んでいくと、「カレンダーでみる集水タンク・一時貯留タンクの運用状況(準備中)」という文字が現れる。運用が開始されると、ここにリンクが設定されることになる。
「※関係省庁や漁業関係者さま等のご理解なしには行いません。」との但し書きが掲げられているものの、計画の実施は秒読み段階にあるようだ。
サブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化の上で海洋排水する今回の計画は、地下水バイパスに比べてはるかに危険度が高いと考えられる。
地下水バイパスの汲み上げ井戸には、より上流で流出した高濃度汚染水の放射能が土中に浸透し溶け込む危険をはらんでいるが、サブドレン・地下水ドレン水の汲み上げ井戸は、汚染水が溜まった建屋のすぐとなりや、放射能の最高値がいまも更新され続けているエリアで汲み上げられるものだ。
これまで汚染度が低かった井戸で突然高濃度の放射性物質が検出されるおそれもある。安全を最優先した慎重な運用が行われるよう、多くの目で注視し続けることが重要だ。
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