6月23日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
3号機廃棄物地下貯蔵設備建屋、廃スラッジ貯蔵タンク(A)周辺で滞留水のコバルト-60濃度が1ケタ上昇し、1万7000ベクレルに
《3号機廃棄物地下貯蔵設備建屋の滞留水移送》
・3号機廃棄物地下貯蔵設備建屋(以下、「FSTR建屋」という。)の滞留水については、5月25日より3号機廃棄物処理建屋へ移送を実施している。(お知らせ済み)
・6月18日の移送作業時に、FSTR建屋に設置している廃スラッジ貯蔵タンク(A)の側板の一部に変形(歪み)があることを確認した。このため、6月22日にタンク内部について確認したところ、タンク内面が六角形状に変形していることを確認した。
※廃スラッジ貯蔵タンク(A)の内容物
使用済燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩器、廃液ろ過器、床ドレンろ過器の使用済樹脂(廃スラッジ)
・また、廃スラッジ貯蔵タンク(A)および(B)エリアの滞留水の分析を実施したところ、コバルト60が過去の分析結果より上昇していることが確認されたため、廃スラッジ貯蔵タンク(A)内部水が漏れ出している可能性がある。
・廃スラッジ貯蔵タンク(A)内部水、廃スラッジ貯蔵タンク(A)および(B)エリア滞留水の分析結果(コバルト60)は、以下の通り。(6月22日採取)
【コバルト60】
廃スラッジ貯蔵タンク(A)内部水: 6.0×10^4Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(A)エリア滞留水(下部): 1.7×10^4Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(B)エリア滞留水(下部): 1.6×10^4Bq/L
<参考>(2月5日採取)
廃スラッジ貯蔵タンク(A)エリア滞留水: 3.1×10^3Bq/L
廃スラッジ貯蔵タンク(B)エリア滞留水: 2.6×10^3Bq/L
・なお、6月22日(12時頃)のFSTR建屋水位は、OP2,751mmであり、6月22日(12時頃)の近傍サブドレン水位(N9:OP7,522mm、N10:OP8,275mm)より低い水位であることから、FSTR建屋外への流出はないものと判断。
・また、FSTR建屋に設置している廃スラッジ貯蔵タンク(B)および原子炉冷却材浄化系廃樹脂貯蔵タンクについては、異常がないことを確認。
・今後、廃スラッジ貯蔵タンク(A)が変形した原因の調査および対応方針について検討していく。
ステンレス製の「廃スラッジ貯蔵タンク(A)」からの漏洩かどうかは不明だが、「廃スラッジ貯蔵タンク(A)」「廃スラッジ貯蔵タンク(B)」が設置されている部屋の滞留水でコバルト-60の濃度が上昇していることは事実であるらしい。他のタンクと比較して(A)タンクの水位のみが、部屋の滞留水水位に近いので、このタンクから汚染した水が漏洩した可能性は十分に考えられる。
しかし、(A)タンクが変形した理由や、破損の有無が明らかでないため、現在発表された内容からコバルト-60濃度が上昇した原因を判断することはできない。
※コバルト-60については文末のリンクを参照いただきたい。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月21日午前10時25分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~通算70回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日6月13日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月22日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、本日のパトロールにおいて、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことから、パトロール員の安全確保のために70μm線量当量率の測定を一部実施しなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
新規事項なし
関連データ(東京電力以外のサイト)
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