2015年6月26日 今日の東電プレスリリース

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6月26日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

※ 情報を追加して更新します

3号機廃棄物地下貯蔵設備建屋、廃スラッジ貯蔵タンク(A)周辺で滞留水のコバルト-60濃度が1ケタ上昇した件の続報。変形した原因調査等を行うことから移送作業を中断。また2,3号機の同様の施設からの移送も中断

今後、廃スラッジ貯蔵タンク(A)が変形した原因調査等を行うことから移送作業を中断している。また、2号機増設FSTR建屋から2号機廃棄物処理建屋および3号機増設FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋への滞留水移送についても、各FSTR建屋内に設置されているタンクの健全性確認を実施することから、移送作業を中断している。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

調査前なので、現在のところ23日付の「3号機地下貯蔵設備(FSTR)廃スラッジ貯蔵タンク(A)側板の変形について」が最新だが、その資料の中には、廃スラッジ貯蔵タンクの材質などのスペックが記載されている。それを見ると、

廃スラッジ貯蔵タンクの材質はステンレスで、底面・側面とも6mm厚。高レベル廃棄物を収めるガラス固化体の外側のキャニスターも同じくステンレス製で、厚さは約5mmなのだとか。

廃スラッジ貯蔵タンク(A)が従来の円筒形から蜂の巣形に変形したことを考えると、放射性物質による材質の脆弱化がそうとう進んでいた可能性もある。つまり、同等以下のスペックしかない高レベル廃棄物のガラス固化体も危ない。

 3号機地下貯蔵設備(FSTR)廃スラッジ貯蔵タンク(A)側板の変形について|東京電力 平成27年6月23日
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漏洩事故を起こした耐圧ホースによる汚染水移送ラインをポリエチレン管に付替えの続報。漏洩等の異常がないことを確認 → 異議あり!

当該耐圧ホースの漏えいを受けて、中断していた付け替え工事を再開し、2015年6月20日にPE管への付け替えが終了したことから、1000tノッチタンクから3号機タービン建屋への移送を、6月25日午前10時13分に開始。移送開始後、午前10時29分に漏えい等の異常がないことを確認。(ここまで既出)

同日午後3時に同移送を停止。なお、移送停止後、漏えい等の異常がないことを確認。今後、3号機タービン建屋の水位を確認しながら、断続的に移送を実施する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

漏洩がないことを入念に確認したということか。6月上旬にニューヨークで発生したガス爆発で使われていたのもプラスチック管だったから、しっかり調べたということなんでしょうね、って、それ、違います!!

管路の安全性確認をするのであれば、いきなり「本番」の1000tノッチタンクの高濃度汚染水を使うのではなく、真水を使うべきでしょう。

ほんとに漏れがなくて良かった。まあ、ポリエチレン管の熱による融着(融かして接着すること)工程は、技能資格もあることなので、現場の右も左も分からないような素人にはできないわけですからね。

しかし、それでも万一ということはあるわけです。ほんの少しであっても、もしも新設した管からの漏れが発覚したら、この工法まで否定されかねない事態になっていたかもしれません。

詰めが甘いというか、いつも気が急いている異常な精神状態だもんだから、こんなオバカなことをヤッチまうんでしょうね。ポリエチレン管は、もともと水道管やガス管用に作られたもので、地中に埋めて回りの土圧等で保持されることを前提にしています。側溝内の設置のように、仮に他の管との取り合いが生じて、ちょっとずらそうとしたりした時にぶらぶらの場合は、ニューヨークの事故と同じように継ぎ目に負担がかかって、小さな裂け目が生じないとも限りません。ましてや、非常に線量の高い汚染水を流すわけです。ステンレスでさえひん曲がるほどですから、今後も安全確認には抜かりのないようにお願いしたいと考います。

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月21日午前10時25分~)

※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月25日午前10時39分~)

※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

6月25日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺)|東京電力 平成27年6月26日
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H6エリア周辺地下水G-2のトリチウムが、1,800ベクレルに急上昇

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H6エリア周辺)|東京電力 平成27年6月26日
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<周辺地下水G-2のトリチウム濃度>
6月13日 150Bq/L
6月14日 悪天候により採取中止
6月15日 悪天候により採取中止
6月16日 悪天候により採取中止
6月17日 260Bq/L
6月18日 250Bq/L
6月19日 220Bq/L
6月20日 悪天候により採取中止
6月21日 1,300Bq/L
6月22日 290Bq/L
6月23日 悪天候により採取中止
6月24日 1,800Bq/L

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月26日

 福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 平成27年6月26日
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