7月4日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月1日午前11時27分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
(6月30日には、6月29日午後1時46分SFP代替冷却系を起動と報告されている)
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月1日午前11時44分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス 揚水井No.10でトリチウム(H-3)が運用目標値を上回る1700ベクレル。ただし汲み上げは停止中
※地下水バイパス揚水井No.10については、7月2日に採取した水の分析結果において、トリチウム濃度が運用目標値[1,500Bq/L]を上回る1,700 Bq/Lであることを確認しているが、当該揚水井の汲み上げは6月30日に停止している。その他の揚水井分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
7月3日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア 周辺地下水E-10のトリチウム濃度が10000ベクレル
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<周辺地下水E-10のトリチウム濃度>
7月2日 10,000Bq/L
H6エリア 周辺地下水G-2のトリチウムが1300ベクレル
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<周辺地下水G-2のトリチウム濃度>
6月20日 悪天候により採取中止
6月21日 1,300Bq/L
6月22日 290Bq/L
6月23日 悪天候により採取中止
6月24日 1,800Bq/L
6月25日 340Bq/L
6月26日 170Bq/L
6月27日 1,100Bq/L
6月28日 690Bq/L
6月29日 330Bq/L
6月30日 290Bq/L
7月1日 500Bq/L
7月2日 1,300Bq/L
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
7月3日午前11時50分に採取した水の分析結果(セシウム134,137,全β)が前日の分析結果よりも上昇しているが、降雨の影響により一時的に上昇したものと推定している。また、港湾口連続モニタの測定値に有意な変動は確認されていない。引き続き監視を継続していく。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: