6月22日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月21日午前10時25分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月21日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア ~20日は悪天候により「採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H6エリア ~20日は悪天候により「採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※「悪天候により採取中」なのに「前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない」とはこれいかに!
【福島第一原発から約10kmに位置する気象庁のアメダス「浪江」の気象データ】
6月20日の降水量合計は4.5mm 1時間最大は3.5mm 10分最大は1.0mm
気温は最高 25.7℃、最低 13.3℃ 日照時間 11.2
最大風速 4.9 南東 最大瞬間風速 8.6 東南東
10分毎のデータで確認すると、降水が記録されているのは17:40~18:30で、それぞれ10分あたり0.5mmの雨。18:30には10分あたり1.0mmの雨が記録されている。また18:50にもは10分あたり0.5mmの降雨記録があるが、それ以降は0.0mm。
風も最大瞬間風速で8.6mなので、採取不可能なほどの悪天候だったとは考えにくい。
1~4号機タービン建屋東側 ~3,4号機ウェルポイント汲み上げ水でトリチウムが過去最高値
新規事項なし
<過去最高値>3,4号機ウェルポイント汲み上げ水
トリチウム(H-3):2,100Bq/L(2015年6月17日採取)
これまでの最高値:1,700Bq/L(2015年6月3日・10日採取)
地下貯水槽
新規事項なし
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※ 減少傾向にあったものが上昇傾向に。東京電力は「降雨による表層土の流入のため上昇」などの注釈は付けていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: