【静岡から飛び立て】女子プロ野球の新顔

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日本女子プロ野球リーグ(JWBL)。
3月28日、女子プロ野球がリーグ設立6年目の開幕戦を迎えました。

今年この女子プロ野球に静岡県出身のひとりの女の子が飛び込みました。
岩見香枝22歳、埼玉アストライアの新入団選手です。

女子プロ野球が創設に向け、動き始めたのは2007年。
兵庫県丹波市で開催された女子の高校野球全国大会がひとつのきっかけでした。

男子高校野球部が全国で4,000校を超える一方、当時、高校の女子硬式野球部は全国にわずか5校。誰にも知られることなく、甲子園さえも目指すことの出来ない存在でした。
競技環境が恵まれているとは言えない中、一生懸命に野球に取り組む女子野球部員を見て野球に専念し、生活出来る場を創りたいとの想いから、このリーグは誕生しました。
また、女子野球を普及・発展させるためにも、女子野球選手がキャリアの頂点として、夢を持って目指すものが必要だと考えます。

リーグ創設から6年が経過しました。
高校の女子硬式野球部は18校まで増え、女子野球は頂点のプロを目標に着実に全国に広まってきています。
今後も日本だけにとどまらず、世界にも女子野球を普及させていくつもりです。
将来に渡って女子プロ野球を発展させていくためにも、純粋に野球を愛し、競技を続けていきたいという女子野球選手に対し、夢を持ち続けられる場を提供してまいります。

女子プロ野球について|日本女子プロ野球リーグ JWBL | リーグ誕生経緯より

女子のプロ野球?
って、思わない方が良いです。

女子のサッカー?
って、今は言うでしょうか。
男子のサッカーより早く世界の頂点に立ち、日本にたくさんの感動を与えてくれました。

女子ソフトボールもそうですよね。

2012年、震災で暗い影を落としていた我が国に、オリンピック史上最多の38個のメダルと夢と希望と感動を届けてくれた日本のロンドン五輪選手団。

38個のメダルの内訳は、金7、銀14、銅17ですが、そのうち女子選手、女子チームのメダル獲得は、金4、銀6、銅7の合計17。

大和撫子大活躍でした。

今野球はオリンピックの公式競技から外れていますが、オリンピックに限らず、国際大会の舞台で活躍する日本の選手やチームを応援するのは、とっても楽しいことです。

またひとつ、そうしたスポーツが育ちつつあると、スポーツなんでも大好き人間の私としては、ひそかにほくそ笑んでるわけでして。

そこに静岡県出身の選手が誕生したわけですから、応援したいなと。
そういえば、最近TVにも女子プロ野球選手が出てたなと思いだした方もいるのではないでしょうか。

岩見選手、開幕戦でデビューを果たす

リーグの開幕戦は、3月28日の兵庫ディオーネVS京都フローラ。岩見選手が所属する埼玉アストライアの開幕は、4月4日までお預けでした。

楽しみにしていたわけです。出場はいつかなと。新人とはいえ、かなりの経歴の持ち主ですから。ただ、先輩選手もいますし、オープン戦でも先発出場していなかったようですし。

で、試合結果を確認したら、途中出場してました。ショーライナーだったようですが、打席にも入りました。大事な開幕戦でデビューです。

よっしゃー!!

おっと、肝心な岩見選手のプロフィールの紹介を忘れてました。

岩見香枝(いわみ かえ)
1993年2月11日生まれ、22歳、静岡県沼津市原出身
小学校時代は地元少年野球チームに所属。
中学校時代は伊豆市リトルシニア(1期生)で硬式野球の世界へ。
※新発足の1期生だから大したことないと思わないでください。3期生が静岡大会で3位となり、4期生は秋に静岡大会を制し、南関東(静岡、神奈川)で準優勝、春は南関東のベスト8、夏に行われた九州連盟30周年記念全国選抜大会で全国優勝を果たしているチームの1期生です。

高校は埼玉栄高校へ進学しソフトボールに転向(世界を狙う決断)。
U16日本代表キャプテン、U16ワールドカップ金メダル獲得(早くも夢の実現)。
日本体育大学へ進学、2012年、2013年大学日本代表に選出。
2012年大学JAPANメンバーとして第1回東アジアップ金メダル獲得。
※日本、中国、韓国、台湾が出場。日本のみ大学選抜、他3か国はナショナルチーム。
2013年大学JAPANメンバーとして第2回東アジアップ銀メダル。
※日本、中国、韓国、台湾が出場。日本がホスト国のため、ナショナルチームが日本代表で出場し、大学JAPANは特別参加。決勝は日本VS大学JAPANとなり、1-0でナショナルチームが優勝。ナショナルチームの投手は、あの「世界の上野」。

で、大学卒業の今年、再び硬式野球に戻り、埼玉アストライアへ入団となったわけです。

どうです、この経歴。若くして世界の舞台を経験するだけでなく、頂点にも立ってきているのです。

直前の7年間はソフトボールの選手ですが、元々は硬式野球の選手です。しかも、シニア時代は、背番号「1」をつけてエースをはっていた時期もあります。日体大女子硬式野球部を相手にした練習試合では、4安打完投。
シニア時代の実際の彼女を目にしたときは、大会でマスクをかぶってました。

捕手ですよ、捕手。

シニアの硬式野球で女子で捕手って、かなり凄いことです。

でも、もったいない。顔が見えないじゃないですか。

高校、大学の日本代表としても内野手だった岩見選手ですが、プロデビューはセンターです。オープン戦もセンターでした。

いくら新人で、硬式野球からしばらく離れていたとしても、これだけの経歴と実力を備えた選手が途中出場なのですから、まだチーム数が少ないとはいえ、選手層の厚さがうかがえます。

かつてはアメリカにもあった女子プロ野球リーグ

1943年、第二次世界大戦の最中のアメリカでは、徴兵で次々と選手が戦場に送られてしまうため、メジャーリーグ存亡の危機に陥りました。そこで徴兵されない女性によるプロ野球リーグの全米女子プロ野球リーグ(AAGPBL)を設立しました。

4チームでリーグがスタートし、シーズンはペナントレース形式で行われ、その年は各球団がそれぞれ108試合を行いました。

108試合って、かなりハードです。

1943年の4チームから、1948年には10チームにまで膨らみ、1949年の観客動員数は91万人です。

第二次世界大戦が終了し、戦地からメジャーリーガーたちが戻ってきたことにより、メジャーリーグが復興していき、全米女子プロ野球リーグは1954年をもって終了してしまいますが、12年もの間、ベースボールの発祥の地を支えたわけです。

この話は、『プリティ・リーグ』(1992年)という映画になっています。

ゴールデングローブで主演女優賞を受賞しているジーナ・デイヴィスが主演、女子プロ野球チームのロックフォード・ピーチーズの主将で捕手を演じます。姉妹で入団した妹役を歌手のマドンナが演じ、主題歌も歌っています。良い映画です。

現在アメリカには、女子プロ野球チームはありませんが、北米女子野球リーグ(NAWBL)という女子の硬式野球リーグが行われています。

昨年行われた女子のWBCといえるIBAF女子ワールドカップでは、第3回大会、第4回大会、第5回大会に続き、第6回大会も侍ジャパン女子(マドンナジャパン)が優勝し4連覇を果たしています。
※開催は2年に1度。
第6回大会はの参加国は、日本、カナダ、アメリカ、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、香港。第1回大会、第2回大会は、日本いずれもは準優勝。

どうです、女子プロ野球に興味わいてきましたか?
プロ野球同様、まだ開幕したばかりです。

 日本女子プロ野球リーグ JWBL
www.jwbl.jp  
 埼玉アストライア公式ホームページ
www.saitama-astraia.com  

本拠地:埼玉県
2013年優勝

 兵庫ディオーネ公式ホームページ
www.jwbl.info  

本拠地:兵庫県
2010年、2011年優勝

 京都フローラ公式ホームページ
www.jwbl.info  

本拠地:京都府
2014年優勝

 東北レイア公式ホームページ
www.tohoku-reia.com  

本拠地:宮城県
2012年優勝
2015年度は女子野球普及のための「育成型チーム」として活動し、正規リーグ戦のヴィクトリアシリーズには加わらず、チャレンジシリーズ、ティアラカップ、女子野球ジャパンカップ、全日本女子硬式野球選手権大会などのカップ戦や練習試合のみに参加する

 全国高等学校女子硬式野球連盟
www.girls-baseball.jp  

第16回全国高等学校女子硬式野球選抜大会は京都外大西高校が初優勝
第18回全国高等学校女子硬式野球選手権大会は福知山成美が優勝
第15回全国高等学校女子硬式野球選抜大会は蒲田女子が優勝
なでしこたちの甲子園版です。春、夏あります。

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