私が以前東京に住んでいた時、自宅からスーパーに行くまでの途中に、１件のお米屋さんがありました。もちろんスーパーでもお米は買えましたが、私はわざわざそのお米屋さんで玄米を精米してもらって買っていました。なぜなら、つきたて（精米したて）のお米が一番おいしいからです。

私は「好きな食べ物は何ですか？」と聞かれたなら、「１つだけ選べというなら、お米です」と答えるほど白いご飯が好きです。ですから、つきたてのお米がこんな都会で食べれるなんてこの上ない幸せでした。

そのお店では、常時10種類ほどのお米が産地を明確にして売られていました。その中で私が選ぶのは決まって福島産！それは福島生まれでやはり白いご飯が大好きだった祖父を想っての選択でした。

その福島産のお米が突然、お店からなくなりました。そう、あの日から。

大震災のあの日、東京もかなりの揺れがありました。交通は麻痺し、帰宅困難となった人もいました。コンビニから食料品がなくなりました。数日もしないうちにペットボトルの飲料水が売り切れ、とうとうお米もなくなりました。あのお米屋さんもシャッターに「売り切れました」の貼り紙がされ、何日も閉まったままになりました。

しばらくしてお店が再開したとき、そこには「福島産」のお米はありませんでした。それ以降、私が東京を去るまでの２年半、そのお店で福島産のお米が売られることはありませんでした。

そしてあの日から４年経った今、手に入れました、福島産のお米！

お米にはこんなにりっぱな「放射能汚染検査報告書」が付いていました。正直、こうまでしないと福島産のお米は売れないのだろうか、という複雑な気持ちになりました。でも、食べてみれば、ただただおいしい！！

震災から４年を過ぎ、福島のお米がこんなにも安全なんだと、おいしいんだと、たくさんの人に知って欲しい、心からそう思います。そしてまた、東京のあのお米屋さんでも福島産のお米が売られていて欲しいです。「福島産、3キロ、白米で！」