三陸鉄道の軌跡から見る東日本大震災からの復興を考える

yoshi

公開:

1 なるほど
1,799 VIEW
2 コメント

昨年の4月、三陸鉄道が最後まで不通になっていた北リアス線の小本-田野畑間(10.5km)の運航を再開したというニュースを見ました。東日本大震災から3年経っての全線開通。

沿線の方々にとって公共交通機関の復活は日常生活を取り戻すために必要不可欠な生活路線だと思います。でも、現実に目を向けてみると三陸鉄道にはまだ完全に復活した訳でなく、再スタートを切ったばかりだと感じました。

三陸鉄道は2010年度(2010年04月~2011年03月)の収入は432,423千円でしたが、東日本大震災発生後の2011年度(2011年04月~2012年03月)は302,996千円と大幅減となりました。

2011年度の収入の内訳に注目すると運賃収入は97,718千円で前年に比べ69.7%減でしたが、関連事業収入が168,745千円と前年対比163.54%になり、運賃収入を補うかたちになりました。関連事業収入はオンラインショップやイベント販売、団体旅行など、日本全国からの支援によって支えられていたことがうかがえます。

全線開通したとはいえ、各駅周辺の復興はまだこれからですので、三陸鉄道が今後の復興に大切な役割を果たしていくのだと思います。

2014年4月に全線開通してから約1年。沿線の古里に帰ることができずにいる避難者の皆さんが戻る時まで、沿線の町が復興するまで自分に何かできることがないか、あらためて考えたいと思います。

東日本大震災後から営業再開までの軌跡

北リアス線
2011年3月11日 東日本大震災により、全線が不通となる。
2011年3月16日 陸中野田~久慈間が営業再開、同区間で復興支援列車の運転を開始
2011年3月20日 宮古~田老間が営業再開。
2011年3月29日 田老駅~小本駅間が営業再開。
2012年4月01日 田野畑~陸中野田間が営業再開。
2014年4月06日 小本~田野畑間が営業再開。

南リアス線
2011年3月11日 東日本大震災により、全線が不通となる。
2011年4月03日 盛~吉浜間(21.6km)が営業再開
2014年4月05日 吉浜~釜石間(15.0km)が営業再開

参考WEBサイト

 三陸鉄道
www.sanrikutetsudou.com  
 三陸鉄道 - Wikipedia
ja.wikipedia.org  

最終更新:

コメント(2

あなたもコメントしてみませんか?

すでにアカウントをお持ちの方はログイン

  • I

    iRyota25

    26年度上期は黒字、下期はツアーなどが落ち込むので通期では約1億円の赤字予想、しかし補助金などで当期利益は黒字に転換の見込みなのだそうです。
    (河北新報)
    http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141023_32011.html
    (ぽたるページ)
    http://potaru.com/dtl100000013808/

    • Y

      yoshi

      コメントありがとうございます。
      河北新報の記事を拝見させていただきました。観光収入は観光地としてスポットライトがあたっているうちはいいのですが、シーズンの変動やドラマの熱が冷めてしまった時が心配です...。生活路線としての定期収入が安定してはじめて復興といえるのではと思います。