雑固体廃棄物減容処理建屋北での測定結果が急上昇

iRyota25

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数値が上昇したのは本当に雨のせい?

雑固体廃棄物減容処理建屋北サブドレン――。まるで呪文か早口言葉のような建屋外のサブドレン(井戸)水の測定結果で、セシウム134、セシウム137の濃度に有意な変化が見られたと、東京電力が6月11日付「日報」で公表した。

まずは、雑固体廃棄物減容処理建屋がどこにあるのかマップで確認。続いて日報に記載されたサンプリング実績を引用。

Googl Map に加筆
Googl Map に加筆

<最新のサンプリング実績>
雑固体廃棄物減容処理建屋北サブドレン水:6月10日採取分
・セシウム134:170 Bq/L(前回は検出限界値(約10 Bq/L)未満)
・セシウム137:460 Bq/L(前回は検出限界値(約20 Bq/L)未満)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月11日

東京電力のデータページを確認すると、6月10日採取分以外は「ND」が並ぶ。
NDは検出限界未満ということで、その数値はセシウム134が約0.01Bq/cm3、セシウム137が約0.02Bq/cm3とのこと。(単位がcm3であることに注意)

「集中廃棄物処理施設周辺 サブドレン水核種分析結果」から該当するサブドレンのデータを取り上げた。6月10日分以前は連続して「ND」だ
「集中廃棄物処理施設周辺 サブドレン水核種分析結果」から該当するサブドレンのデータを取り上げた。6月10日分以前は連続して「ND」だ

どこまで「ND」が続くのか、東京電力のアーカイブページで遡って調べてみた。
5月4日にセシウム134:21 Bq/L、セシウム137:74 Bq/Lという数字が初めて登場。ちなみにこの日の浪江町の降水量は、気象庁のアーカイブスによると0ミリだった。

測定結果が上昇した原因は、降雨が影響したものと考えられる。今後も引き続き監視を継続する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月11日

測定値が急上昇した原因について、東京電力は「雨のせい」と言う。過去に遡って調べてみた。

2011年5月30日のセシウム137は「75Bq/L」

雑固体廃棄物減容処理建屋北サブドレンというサンプリング場所の測定データは、どれくらい過去まで遡れるのか調べてみたら、原発事故が発生した2011年の5月30日が初出だった。

 福島第一原子力発電所 周辺環境への影響|アーカイブ|東京電力 ※2011年12月22日以前
www.tepco.co.jp  
 福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力 ※2011年12月23日~2014年5月31日
www.tepco.co.jp  
 福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|東京電力 ※最新データ
www.tepco.co.jp  

原子炉建屋が相次いで爆発してから2カ月半しか経過していない時点でのデータは次のようなものだった。

2011年5月30日(浪江町の1日降水量は112.0ミリ)
セシウム134:74Bq/L
セシウム135:75Bq/L

NDではないが、2014年6月10日の数値よりもはるかに低い。以後2ケタの数値が6月に入っても続き、6月20日にはセシウム137でNDが登場する。

ちなみに、セシウム134とセシウム137の数値が似通っているのは、134の半減期が約2年で137の30年に比べて短いため、3年以上経過した今日では134だけが半分以下になっているためだと考えられる。

初の100ベクレル超えは7月

7月には数値がカウントされる日とNDの日がほぼ半々になる。しかし――、

7月21日(浪江町の雨量:前日76.5ミリ、当日24.0ミリ)
セシウム134:160Bq/L
セシウム135:160Bq/L

この日初めて100ベクレル超を記録した。今回も大雨の後だった。

その後数値は2ケタに戻り、8月はほとんどの日がND。数値がカウントされたのはセシウム134で1日、セシウム137で3日。もっとも高い数値で29Bq/Lだった。

2011年9月、580ベクレルを記録

この傾向は9月中旬まで続く。そして9月22日から約1週間、非常に高い数値が記録される。

9月22日~9月29日
セシウム134:510 460 400 370 350 310 150 140(Bq/L)
セシウム137:540 580 470 430 430 360 160 170(Bq/L)

9月21日には24時間雨量が204.5ミリという大雨が降り、翌22日も10.5ミリの降水量を記録した。しかしそれ以後29日までは連続した0.0ミリだった。

この先2011年いっぱいは数値がカウントされる日が増え、NDの日は減少する。それでも、測定される数値は2ケタの前半がほとんどという状況が続く。

これまで高い数値を記録した時には、当日あるいは前日の降水量が高かった。9月から12月までは、降水量と測定結果の関連を見てみる。

●そこそこ降った割に出ない
10月5日:56.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月6日:33.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:38Bq/L

●降ってないのにかなり出る
10月18日:0.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月19日:0.0ミリ セシウム134:73Bq/L セシウム137:94Bq/L
10月20日:0.0ミリ セシウム134:42Bq/L セシウム137:35Bq/L

●少ない雨量と少な目の数値が連動
10月22日:25.0ミリ セシウム134:26Bq/L セシウム137:37Bq/L
10月23日:0.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月24日:5.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月25日:0.5ミリ セシウム134:26Bq/L セシウム137:ND

●数値との連動が読み取れない
11月18日:0.0ミリ セシウム134:45Bq/L セシウム137:32Bq/L
11月19日:19.5ミリ セシウム134:32Bq/L セシウム137:59Bq/L
11月20日:0.0ミリ セシウム134:29Bq/L セシウム137:28Bq/L
11月21日:0.5ミリ セシウム134:36Bq/L セシウム137:38Bq/L
11月22日:0.0ミリ セシウム134:47Bq/L セシウム137:57Bq/L
11月23日:0.0ミリ セシウム134:30Bq/L セシウム137:35Bq/L
11月24日:0.0ミリ セシウム134:37Bq/L セシウム137:58Bq/L
11月25日:0.0ミリ セシウム134:32Bq/L セシウム137:41Bq/L
11月26日:0.0ミリ セシウム134:23Bq/L セシウム137:36Bq/L

●かなり降ったが数値は微増
12月2日:0.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:47Bq/L
12月3日:43.5ミリ セシウム134:25Bq/L セシウム137:ND
12月4日:0.0ミリ セシウム134:24Bq/L セシウム137:ND

このように見ていくと、100ミリに満たない降水量と数値の連動性は薄そうだ。

もうひとつ言えるのは、2011年9月に高い数値を記録した後は、セシウム濃度は漸減していることだ。その後、雨量にかかわらずほとんどがNDという状況が続く。

2012年の傾向

●100ミリを超える降雨でもND
5月2日:1.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
5月3日:155.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
5月4日:33.5ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
5月5日:6.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND

●6月19日まで半年にわたってNDが続いた後、いきなりの100ベクレル超え
6月19日:87.5ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
6月20日:48.5ミリ セシウム134:68Bq/L セシウム137:100Bq/L
6月21日:0.0ミリ セシウム134:11Bq/L セシウム137:200Bq/L
6月22日:12.5ミリ セシウム134:77Bq/L セシウム137:86Bq/L

雨が多めに降った直後は数値が上がり、その後漸減していくパターンが見られる。6月下旬の雨の後NDが支配的になるのは8月に入ってからだった。しかし、不可解なのは7月7日には91ミリの降雨があり、しかも前後4日間の積算で129ミリ降っているのに、その間には数値の有意な変動は見られなかった。

●まとまった雨から時間差をおいて数値が上昇するケースもある
10月3日:72.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月4日:60.5.0ミリ セシウム134:32Bq/L セシウム137:40Bq/L
10月5日:0.0ミリ セシウム134:31Bq/L セシウム137:51Bq/L
10月6日:0.5ミリ セシウム134:39Bq/L セシウム137:66Bq/L
10月7日:11.0ミリ セシウム134:28Bq/L セシウム137:65Bq/L
10月8日:0.0ミリ セシウム134:20Bq/L セシウム137:51Bq/L

この雨の後はセシウム137に関しては年末までNDが支配的な状況にはならなかった。

2013年~2014年前半の傾向

1月に入ってからセシウム137もNDが続くようになる。

●降雨の翌日数値が上昇し、その次の日にはND
4月3日:71.5ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
4月4日:0.0ミリ セシウム134:19Bq/L セシウム137:45Bq/L
4月5日:0.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
4月6日:12.5ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
4月7日:30.0ミリ セシウム134:32Bq/L セシウム137:81Bq/L
4月8日:0.0ミリ セシウム134:31Bq/L セシウム137:64Bq/L

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