GWの日和山にて
昨年のゴールデンウィークに石巻から雄勝を巡る旅で見かけた風景を紹介します。
石巻について最初に訪れた日和山。
多くの花見客でにぎわう日和山を鮮やかなピンク色の八重桜が彩っていました。
私の住んでいる伊豆では八重桜の色はもっと淡い感じでこれほど濃い色の八重桜はあまり見たことがありません。
どちらかというと河津桜の濃いピンク色に似ているでしょうか。
河津桜は一重なので日和山のあでやかなピンクの八重桜はかなりゴージャス美しかったです。
その日は本当に陽気もよく多くの花見客が訪れ、途中桜の下で楽しく歌を歌いながら宴会をやっている団体さんもいて楽しい雰囲気につつまれていました。
しかし駅からここまで震災の傷跡は全く見えず、違う場所だったかなと首を傾げながら頂上へつくと
まず飛び込んだのは無数のお墓。。。
そしてその向こうにひろがる荒れ果てた土地。。。
まったく手つかずの状態でした。
あれから3年たつのにここだけは時間が止まったままの状態に見えました。
呆然としていると宴会をやっている団体さんの歌声が…
超盛り上がっているらしく歌声が日和山の山頂に響きました。
仙石線にのっていこう
ゴトゴトゆられ出かけよう
サクラの春は大好きなキミと石巻
仙石線にのっていこう
ゴトゴトゆられ出かけよう
海水浴ならビキニを買ってのびる海岸~
かなり上手なギターの伴奏と楽しそうな歌声。
団体さんのメンバーを見るとさまざまな年齢の方が。
この団体さんはお酒好きか何かのサークルのようですね。
宴会場の近くに看板が
『100とおりのよっぱらい会場はこちら』
と書いてあります。
歌の内容からするとさっき乗ってきた仙石線の歌かな?
ますます盛り上がっている歌声が続きます。
うれしいとき悲しいときどんな時でも
ゴトゴト走るよ仙石線 ふたりをのせて
この日和山前に広がる荒野に届くようにうたっているかのようでとてもよっぱらいの歌声とは思えません。
日和山を一周してくると宴会の団体さんのほうから別の歌が
あ!アイウエ アワビにアナゴにあぶら麩 赤貝うーめん うまい
か!カキクケ カキ食えこけしにコメコメ 宮城はササニシキ
さ!サシスセ すずりにスレート瓦に笹かまサンマだよ
た!タチツテ 七夕牛たん駄菓子に貞山運河の船下り
宮城の名物がつぎつぎに!
むちゃくちゃ明るい歌声につい混ぜて!って言いたくなりました。
(歌詞わからないのに。。。)
郷土愛あふれるこの曲も気になって旅の終わりまで頭から離れません。
他県の私でさえも宮城の魅力に取りつかれていきます。
どうも普通の花見客と違うぞと思って
ネットで調べるとこの方たちの正体が判明!
宮城の被災者100人が歌い踊るミュージカル、
『とびだす100通りのありがとう!』の
メンバーじゃなかったのかと。
『とびだす100通りのありがとう!』は、
宮城県内の3歳から83歳までの高校生や漁師などの被災者112人が、日本中世界中からの支援に対する感謝の心を忘れないために歌って踊ったミュージカルで、2012年昨年3月18日に「銀座ブロッサム」(東京都中央区)で上演され、NHKをはじめとするテレビや新聞など、反響は非常に大きく100を超える媒体で紹介されました。
日和山の山頂で歌っていた歌はどちらもミュージカルの劇中歌でyoutubeでも聞くことができます。
仙石線のうた(子どもたちが歌う)
YouTube
この歌を聞くとなぜか心が癒されていきます。
明るく前向きな子供たちの歌声が病みつきになりました!
みやぎ名物アイウエおんど
YouTube
この歌を聞けば宮城のうまいものがわかる!
しかし名物いっぱいありすぎ!宮城おそるべしです。
今回の旅は被災地をめぐり応援するという目的だったのに100とおりのよっぱらいの皆様のおかげでいつの間にか石巻(宮城)の魅力に取りつかれ、なおかつ元気もいただきました。
このミュージカルの劇中歌にはほかにも「少し無理して歩き出すさ」という歌がありますが歌の通り無理して歩き出し、今もなお頑張っている現地の方たち。
『頑張ろう石巻』の看板を眺めながら石巻の方だけが頑張るのじゃなくてもっと頑張らなくちゃいけないのは東北を支え続ける我々だと痛感しました。
復興支援の仕方は人それぞれです。
百通りのがんばり方で今後も東北を応援していきましょう!
追記
仙石線は一部区間が不通となっていますがきたる2015年3月21日(土)に浦宿~女川間が開通し2015年5月30日(土)に全線開通となります。
3月21日に女川では『女川駅周辺まちびらき』としてイベントを開催します。
女川駅にはゆぽっぽという温泉も併設されています。
ゆぽっぽにはさぶろうたさん夫婦と私がそれぞれデザインしたタイルが貼られています。どこに貼られているか見に行くのが楽しみです。
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