東北で桜のつぼみが膨らみはじめた4月中旬、静岡県の企業の8人が宮城県を訪ねました。このページ「ぽたる」を運営するJP21の社員たちです。
以前このページにアップした「被災地・女川」観光ガイド のルートに、石巻エリアと大川小学校、蛤浜を追加して、1泊2日の日程で被災した地域を回ってきました。
その様子を写真中心にご紹介します。
石巻・日和山公園
仙台からワンボックスタイプのタクシー利用での石巻入り。高速道路を走っている間は野球の話や料理の話などで盛り上がっていたのですが、高速を降りて石巻の沿岸部に入ったとたんに車中が静まり返りました。
そんな静寂の時間を経てやってきた日和山。どうしていいか分からない。とにかく写真を撮るしかないといった感じでしょうか。
石巻・門脇へ
建物の残骸や基礎部分までが撤去され、更地が広がる門脇町・南浜町周辺です。
写真や映像で知っている景色でも、その場所に身を置いて、空気のにおいを感じながら目にする実景はまったくの別物です。
がんばろう!石巻の看板
そして女川へ
女川町で最初に訪ねたのは、おさかな市場「おかせい」さん。
もとは鮮魚店でしたが、津波で女川の町中が壊滅した後、その年のうちに食堂を兼ねる店舗として再開しました。
驚くほど豪勢な海の幸をお手頃な価格でいただける人気のお店です。
こちらは特選女川丼2500円。
何種類の具がのっているのか数えきれません。とにかくたいへんなボリュームです。
でも、被災地見学で昼食時間がずれ込んでいたからか、丼にとびかかるような勢いで食べ始めていました。
食事に続いて、清水地区の仮設団地に石田志寿恵さんを訪ねました。
地震の揺れに見舞われた直後から、津波の来襲、小さなこどもたちを助けるために駆け上がった裏山。がけをよじ登りながら津波の轟音に振り返ったら、すでに自宅は失われていたこと。
そんな辛い経験から、避難所の生活、仮設の暮らしを少しでも良くするためにさまざまな活動をされていることなど、たくさんのお話を伺いました。
そして彼女がいちばん伝えたいとおっしゃったのが、津波を甘く見るなということ。山間の集落だった清水でも、町全体が海になるような被害を受けた。日本中どこでも大地震の可能性はある。しっかり備えておくことが大切だ――。
外からやってきた自分たちのことを親身になって心配してくれる石田さんの言葉に胸を熱くした時間でした。
女川の夕べ
今夜の宿泊はトレーラーハウスの宿「エルファロ」です。
今宵の夕食はニューこのり。
昼ごはんが遅かったので、あまりお腹は空いていなかったのですが、やっぱり美味しいものは美味しいのです。名物のあなご丼や捕鯨基地が近くにあるからこそのクジラの刺身定食など、たくさんいただきました。刺身の盛り合わせも美味でしたよ。
(すごーく運が良ければ、生のクジラの刺身を食べられることもあるそうです)
エルファロに戻った後は――、
夜道を歩いて居酒屋「ひわらび食堂」へ。
工事関係の方のために開店したというお話でしたが、どうしてどうして。珍しい地の魚や海藻、本場の水餃子などなどたくさん出していただきました。地元のことをマスターがいろいろ話してくれたことにも多謝多謝です。
町が消えた女川で、居酒屋を楽しめるとは。かなり驚きの経験でした。
●石巻・女川ツアーの一日目はこうしてふけていきました。
たくさんの景色を走り抜けて、多くの場所で立ち止まり、そしてたくさんの人と出会えた一日でした。
第二日目は大川小学校や蛤浜を巡ります。
二日目の模様は、参加した人たちからの記事にお任せすることにして、このページはいったんここまでとしておきます。
●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)
最終更新:
pamapama
いいですねー。学ぶところは学び、楽しむところはとことん楽しむ。そんな風に東北を訪れる人が増えるといいですね。